沖縄は、戦後27年間、米国の直接占領下におかれ、就学前の保育・教育環境は義務教育諸学校と比して劣悪であった。地域では、幼少の子どもの保育問題が切実であったため、集落の公民館には、幼稚園(託児所)が付設された。公民館幼稚園は、子どもの保育・教育保障を自治的に担うものとして運営された。字幼稚園は、沖縄の日本復帰を前にして、小学校附属の公立幼稚園として“公立化”された。沖縄の戦後の就学前の保育・教育は、字公民館を拠点とする子育て組織の中で広く行われ、「地域の子どもは地域が育てる」という地域実践活動が行われていた。
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