研究課題/領域番号 |
16K04570
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
児美川 孝一郎 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (50287835)
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研究分担者 |
小野 方資 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (30569827)
南出 吉祥 岐阜大学, 地域科学部, 准教授 (70593292)
金澤 ますみ 桃山学院大学, 社会学部, 准教授 (80581058)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | キャリア教育 / 就労支援 / 福祉的支援 / 地域振興 |
研究実績の概要 |
前年度までの研究を継続し,2018年度も,福岡県田川市および周辺地域を調査対象として,家庭の貧困,非行・逸脱行動,不登校・ひきこもり,発達障害などの困難を抱える若者に対する,教育機関の内外における支援の実態について,調査研究を実施した。 こうした層の若者に対する支援としては,①高校をはじめとする教育機関による教育的な指導・支援,②スクール・ソーシャルワーカーやソーシャルワーカによる生活困窮家庭とその子女を対象とする福祉的支援,③ハローワーク,ジョブカフェ,地域若者サポートステーションによる就労支援,④NPOなどによる社会的自立支援,居場所の提供などの支援があり,研究的にも注目を集めている。 もちろん,これらが,全体としてどのように連携し,ネットワーク的な包括的支援になりうるのかは,自治体などが苦労しているところであるが,それだけではなく,地域じたいのサステナビリティをどう確立するか,とりわけ産業的な基盤や地域内の労働力需要をどう整備するかが,困難を抱えた若者の将来のキャリアへの展望にかかわるだけに,大きな課題となる。この後者の課題を見出し,手がかりを得るための調査活動に着手しはじめたことが,2018年度の研究の具体的な成果である。 具体的には,中小企業家同友会の田川支部,田川キャリア教育研究会などからヒアリングを行い,地域の産業界の担い手が,調査対象地域の将来展望をどのように描いているのかを聞き取ることができた。そこでは,産業振興とともに,広い意味での「教育」との連携を図ることで,人材育成をどう進めていくかが,地域振興の鍵になるという認識があることを確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり,教育,福祉,就労支援の領域にわたって,困難を抱える若者への支援の実態を探るという研究計画を遂行中である。
ただし,「研究実績の概要」にも書いたように,産業界の側での動きについては,当初の計画よりも重視して調査することにし,実際に実施できている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は,本研究計画の最終年度に当たる。これまでの研究で補充調査が必要であると判断される点についての調査活動をすすめるとともに,本研究全体のまとめを行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年3月に,研究代表者,研究分担者,研究協力者の5名により,福岡県田川市で,継続現地調査および研究成果をまとめるための研究会を実施する予定にしており,そのうち研究代表者と研究力者の分の旅費,現地での協力者への謝金,テープおこしの謝金を支出する予定であった。しかし,研究分担者および研究協力者にスケジュール上の支障が生じたために,2018年度中に上記の継続現地調査および研究会を実施することを断念し,2019年度に繰り延べすることにした。これが,次年度使用額が生じた理由である。 次年度(2019年度)は,上記の継続現地調査および研究会を実施したうえで,当初の計画にあった通りの研究活動を実施し,助成金を使用する予定である。
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