研究課題/領域番号 |
16K04573
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
前田 耕司 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60219269)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 先住民族 / アボリジニ / 主体形成 / 専門職養成 / 能力開発 / 高等教育 / 教員養成 / アイヌ民族 |
研究実績の概要 |
本研究の課題は、オーストラリアの先住民族コミュ二ティの発展に資するアボリジニの専門職養成の特質と課題について明らかにすることである。 平成29年度の本研究課題に関する研究実績は、以下のとおりである。①「先住・少数民族の言語・文化の消滅と維持・復興」Shin Sho(No.83)2017年04月pp.20 -21.②「埋もれる日本の先住民族、アイヌ~アボリジニとの比較に見る高等教育の温度差~」Yomiuri Online/読売新聞2017年08月③Indigenous People Lost in Japan: Ainu;Comparing Gaps in Perception of Higher Education of Indigenous Australians;The Japan News by The Yomiuri Shimbun,2017年09月④2017年11月09日にニューカレドニア大学で開催されたオセアニア比較国際教育学会(Oceania Comparative and International Education Society)の第45回大会においてDr. Zane Ma Rhea、およびDr. Peter AndersonとThe Intersection of Sastainability and Indigenous Education in the Asia-Pacific:Conversation between Japan and Australiaという共同セッションを企画し、‘Indigenous professional learning focusing on the two-way project in Japanese higher education’というテーマで研究成果の一部の国際的な発信に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該研究の成果については、一昨年8月に取得したAustralia-Japan Foundation (AJF)のPublication Award(出版助成)2016-17により、昨年度末に『オーストラリア先住民族コミュ二ティの担い手養成に関する研究(仮)』(明石書店)という題目で入稿予定であったが、代表者の体調の問題により執筆に若干の遅れが生じ、本年9月に『先住民族アボリジニの主体形成と大学開放』という題目に変更の上、上梓する予定である。 日本国際教育学会第28回大会と日本学習社会学会第14回大会に、先住民族の主体的かつ自律的な教育専門職養成モデルの開発を目的とした国際共同編集書籍( Post-Imperial Perspectives on Indigenous Education: Lessons from Japan and Australia, New York and London: Routledge)の共編者で、海外研究協力者のMa Rhea,Z(モナシュ大学)とAnderson, P.(QUT)を招聘し、9月4日と7日の複数回にわたって編集業務の進捗状況の確認および研究実施計画の確認のための編集会議を実施した。 編集会議では、Routledge(出版社)のコメントをふまえ、本書の内容・構成の変更を行った。確認事項は、①「先住民族の権利に関する国連宣言」(DRIPS)の枠組みの再検証とそれを超える理論を構築する。②日本の先住民族問題に沖縄問題を加える。③オーストラリア側の編者の一部変更についてに協議し、新たに連携研究者をエディタ-に加える。④ 11月9~11日のOCIES第45回カンファレンス(ヌメア)における本共同研究の研究発表の打ち合わせを行うとともに、ヌメアで編集会議を行うことを確認した。⑦定期的にTV会議をすることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
8月半頃、オーストラリアのBrisbaneにおいて出版打ち合わせを行うとともに、Cape York、Arnhem Land等の北部の遠隔地域においてアボリジニの担い手養成の実態についての質的調査を行う。8月後半、北海道白老のアイヌ民族博物館と姉妹博物館の関係にある松浦ま武四郎記念館を訪れ、地域の小・中学校におけるアイヌ民族学習と総合的な学習の時間の活用についての資料を収集する。9月に、2020年4月に民族共生象徴公園の開設をめざす北海道の白老を訪れ、アイヌの担い手養成について現地調査を行うとともに、現地のアイヌ民族との共同研究の可能性について探る。 2018年月9月30日原稿締め切りの日本学習社会学会編『学習社会研究』第3号に本研究課題に即したテーマで論文を執筆し、投稿する。 当該研究の成果については、一昨年8月に取得したAustralia-Japan Foundation (AJF)のPublication Award(出版助成)2016-17により、本年9月に『先住民族アボリジニの主体形成と大学開放』)』(明石書店)という題目で上梓予定である。 また、本研究成果の一部の国際的発信を企図した国際共同編集書籍 Ma Rhea, Z., Anderson, P., Maeda, K.and Chizu, S. (eds.) Post-Imperial Perspectives on Indigenous Education: Lessons from Japan and Australia, New York and London: Routledgeに2019年2月に入稿予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)本研究プロジェクトの海外研究協力者の Ma Rhea, Z., Anderson, P. に加えて、クイーンランド工科大学のアボリジニ研究者のDr Juliana McLaughlinが新たにプロジェクトに参加し、Post-Imperial Perspectives on Indigenous Education: Lessons from Japan and Australia, New York and London: Routledgの上梓に向けて、内容の再構成を確認する出版打ち合わせのため渡豪が必要になった。また、2020年4月に民族共生象徴公園の開設をめざす動きが具体化する中、アイヌの担い手養成について現地調査を新たに行う必要性と現地のアイヌ民族研究者に共同研究プロジェクトへの協力を求めるため北海道の白老や二風谷への訪問旅費および宿泊費等が必要になった。 (使用計画) 8月半頃、オーストラリアのブリスベンにおける編集会議、同北部のCape York、Arnhem Land等の遠隔地域におけるアボリジニの担い手養成の実態調査を行う。9月に、2020年4月に民族共生象徴公園の開設をめざす北海道の白老や二風谷を訪れ、アイヌの担い手養成について現地調査を行うとともに、現地のアイヌ民族との共同研究の可能性について探る。
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