|
本研究課題では、公共経営学、教育学の2つの博士学位を有し複数分野の専門的知識を有する代表研究者が、国内外の研究動向や実態をより詳細に調査しつつ、日米中の大学経営の透明性の視点から国際比較を考察対象として「国際社会に通用する大学情報公開のあり方に関する基礎的な理論」を構築し、最終的には「国際社会における日本の大学情報公開の適切なあり方」に関する理論及び政策を提示することを目指し開始された。
研究期間内では以上のことを明らかにするため当初の計画に基づき研究を進めた。日中米におけるフィールドワーク等を実行して最終的に今年度（2018年4月1日～2019年3月31日）は、今までの研究の集大成として国際シンポジウム(Social Responsibility and University Governance（社会責任と大学ガバナンス）)を2019年3月28日に立命館大学で主催した。
昨年は英語の書籍を出版し、本期間では中国語の査読論文２本の出版及び研究実績の国際発表を複数回行い研究の総括を行った。特に、両査読論文は①「教育倫理の視点に基づく大学評価システムの構築と実践」『倫理学研究』②「日本の大学院の情報開示戦略の考察と中国の大学院に対する提言」『学位及び大学院教育』であり、両論文によって本研究課題は学術的な貢献に留まらず、実務的な政策提案の面においても、社会的責任が重視されるようになった日米中の大学が、今後情報公開にいかに向き合って行くかを示すガイドラインを提示し得た。
今後は、より広範なステークホルダーが求める大学情報公開の対象及び範囲と大学経営を存続させるべく有効的な大学情報公開戦略のあり方などについて追加的研究を行う予定である。
|
