研究課題
本研究の目的は、幼児の音楽的発展段階に応じた身体的な動きの要素の変化を見い出すことにある。その中から特に統計的に有意な特徴量等を用いて機械学習を行い、身体的な動きから音楽的発展度を分類した。2018年度に研究対象となった認定こども園でも、MVNシステム(3Dモーションキャプチャー)を用いて、MEB(Musical Expression Bringing-up)プログラムの4段階分について、3歳児、4歳児、5歳児の音楽的表現における身体的な動きの要素に関する動作解析を行った。その1年間の活動実践前後には、前年度と同一の音楽テストを対象児に実施し、その結果と実践後に最も近い第4段階の動作解析結果との相関強度についても定量的分析を行った。そして、2018年度の動作解析の結果を踏まえ、この3年間全ての身体測定部位のモーションキャプチャーデータについて、活動段階、対象園、対象年齢の3要因による三元配置分散分析を行った。その結果、右手の動きの移動平均加速度、移動距離の変化が顕著であり、音楽的諸要素の認識を主な目的とする第3段階で最大であった。右足の動きの円滑性は、保育園児が大きい傾向にあった。保育形態による差異は、移動距離や移動平均加速度に見られた。上記の結果に基づき、統計的に有意であるモーションキャプチャーデータ等を動作特徴量として機械学習を行った。2017年度に抽出した分類モデルにより、音楽的表現の発展度を判別し、音楽的発展度の分類による評価モデルを考案した。SVM等の5種類の分類器を用いた結果、ニューラルネットワークの多層パーセプトロンの分類精度が比較的高く、音楽的発展度に対して、骨盤移動距離と右手移動平均加速度に高い感応度が認められた。機械学習を用いた客観的な音楽的発展段階の評価方法の考案は、経験の少ない幼児教育者の実践支援や、幼児の音楽教育の質的向上に資すると考える。
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