研究課題/領域番号 |
16K04591
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研究機関 | 中村学園大学 |
研究代表者 |
圓入 智仁 中村学園大学, 教育学部, 准教授 (00413617)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | タイ / ルークスア / ナショナリズム教育 / ラーマ6世 / ラーマ7世 / 立憲革命 / 人民党 / 第2次世界大戦 |
研究実績の概要 |
研究期間を延長していただき、研究5年目を迎えた。この令和2年度は、主に、本研究が関心を寄せる1920年代頃から1940年代の、タイの子ども組織ルークスアが発行していた年次報告書の内容を精査し、そこで報告されている統計情報の検討に取り組んだ。 この報告書は、ルークスアが創設された当初より、発行されているものである。国レベルでのルークスアの組織の動きをはじめ、各州レベルにおけるルークスアの活動に至るまで、かなり具体的な内容が記載されている。例えば、どの州のどの地域に、新しい組織が結成されたのか、そこには、それくらいの参加者がいるのか。あるいは、子どもや大人の参加者の中で、階級が上がったのは個人名を含めて、どのような人物なのかといった紹介もある。さらに、各州で活動している個別組織の、1年間の活動の概略なども記されている。また、どの州で何人の子どもや指導者が登録されているのか、それは前年比でどれくらいの増減があるのか、子どもや指導者が、設定されている階級のどこに何人が到達したのかといった報告もある。その他、各州レベルの組織における、金銭的な収支の報告もある。以上のことが克明に報告されている資料を活用することで、バンコクをはじめとして、各州におけるルークスアの活動の盛衰を、把握することができると考えている。なお、この報告書は毎年、発行されているものであり、それぞれが400ページに及ぶものである。このように量が多いため、それらの内容の精査には、なお、時間を要している。次年度内には、この報告書の中身を踏まえた、研究報告ができると考えている。 また、本研究に関連する書籍を入手し、その内容の把握にも努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
これまでの報告書でも記載している通り、研究2年目の平成29年度から、大学付属幼稚園の実質的な園長職を兼務しており、研究に充てる時間を確保することが、ほとんどできなかった。とりわけ、令和2年度は1年間、前年度末からの新型コロナウイルス感染症に対する、園としての対応方針の検討、園の行事の実施の有無や内容の検討、それぞれについての保護者への連絡や大学との協議・調整に追われ、研究に取り組む時間を確保することが、かなり困難であった。タイへの渡航が叶わないばかりか、本研究に関連する資料を読む暇すらなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度末で園長職の任期(4年)が満了した。今後はようやく、本来の大学教員の職に専念できるようになるため、本研究に本格的に取り組むことができる。令和3年度末には、本研究の成果を集めた報告書を発行できるように、時間をかけて研究を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は研究期間を延長していただいたものの、タイへの渡航ができず、また国内の移動も制限されてしまったために、調査出張をすることができなかった。また、国内で入手可能な本研究に必要な書籍や文書類を検討し、購入する時間すら、とることができなかった。 次年度も研究を延長させていただくが、相変わらず、タイへの渡航は難しいと考えている。国内で入手可能な書籍や文書類があれば購入して研究に資したい。また、年度末には本研究の報告書を作成するつもりである。その際、報告書の印刷費や、関係各所への郵送費などとして使用したい。
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