研究実績の概要 |
2018年3月大学の学部卒業者で、民間企業に就職した者、1096名を対象に、web上で調査を行った。調査時期は2018年3月~4月であり、質問項目は(1)基本属性、(2)就職先(業種・雇用形態・満足度)、(3)在学中の就職活動(インターンシップ、その他の就職活動、大学が提供するキャリア支援サービス(9種類)の利用度など)、(4)大学生活の取り組み尺度(三保,2016)、(5)大学生の就職活動における親とのかかわり尺度(梅﨑ら,2017)、(6)人生キャリア・レディネス尺度(坂柳,1996;現在の評価と大学1年時を想起した評価)、(7)社会的スキル:Kiss-18 (菊池,1988)、(8)一般性格: TIPI-J (小塩ら,2012)、(9)精神健康:WHO-5 (Awataら,2007、5項目・6件法)であった。 2019年度には、上記のデータに関して、学生をタイプ分けしタイプごとの就職活動への活発さを検討し、能動的な就職活動を送っているように見える学生にも、不適応的な学生生活を送っているタイプを見出した(東北心理学会で報告)。また、大学卒業時のキャリアレディネスを従属変数とした分析では、調和性などの人格特性が関与している可能性、能動的な就職活動の経験がそれを高める可能性が示唆された(キャリア教育学会で報告)。 2019年度に行った新たな調査としては、上記コホートを対象に、卒業後1年目および2年目のデータを収集した。卒後1年後では85.7%、2年後では76.8%が卒業時の就職先に勤めていた。今後はこれらのキャリアパスや職業モラールに関する分析を進めていく。
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