研究課題/領域番号 |
16K04594
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
猪股 歳之 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (60436178)
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研究分担者 |
稲永 由紀 筑波大学, 大学研究センター, 講師 (80315027)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 高等教育 / 地域 / 人材養成 |
研究実績の概要 |
本研究は,高等教育機関の教育・人材養成機能に注目し,高等教育における地域的な性質・機能の発展や展開について検討することを目的としている。 令和元年度は,高等教育機関における地域人材養成のための教育プログラムの現状についての情報収集や地域を研究の対象や教育のフィールドとすることに力点を置いている教育プログラムの生成過程に関する検討を継続して行ってきた。 なかでも,近年急激に拡大しつつある「地域学部」の生成過程については,多種多様な「地域学部」が存在しており,学部名に含まれる「地域」という言葉が指し示す内容が,研究の対象としての地域という使われ方から,教育のフィールドとしての地域へと広がってきていることが明らかとなった。またその生成過程においては,例えば,教員養成系学部の改組や社会科学系の学部改組,さらには理系の専門分野も含めた全学的な改組など,学内資源を活用した改組型の「地域学部」が増加してきており,地域学部設置と同時に学士課程の定員を減らす機関も見られる。これは学内の文脈においては教員配置を含む学内資源の最適化の結果と見ることができるとともに,学外の文脈との関係という面においては,補助金や学生の獲得など,現在の環境への適応という側面も指摘できる。これらのいわば機関や法人の内部の文脈が大きく関係した「地域学部」の設置は,知的領域や職業領域が主導する学問の制度化とは異なるプロセスであり,他の新しい領域における学部新設の状況などと比較しながらさらに詳細に検討していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日程調整の不調により,当年度内の訪問調査が予定通り実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果の発表や訪問調査の実現に向けて,共同研究者と連携して状況の把握と調整に当たる。しかし新型コロナウイルス感染症の状況により,学会発表や訪問調査の実現が難しくなる可能性も否定できないことから,研究方法の一部変更も視野に入れながら研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
訪問調査の調整不調により,当該年度内の訪問調査が予定通り実施できなかったため,未実施の訪問調査の実現に向けて調整を進める。ただし,新型コロナウイルス感染症の状況により,訪問調査の実施が難しいと判断した場合,必要な物品を調達した上でオンラインでの調査実現を目指す。
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