研究課題/領域番号 |
16K04609
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研究機関 | 兵庫大学 |
研究代表者 |
山崎 博敏 兵庫大学, 高等教育研究センター, 教授 (10127730)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 高等教育 / 人口動態 / 学部学科 / 産業構造 / 私立大学 / 兵庫県 |
研究実績の概要 |
これまで大学の学部学科編成の推移と新設改組の状況について1980年から今日までの期間についてデータを整備してきたが、今年度はその中から兵庫県の私立大学のデータを抽出し、分析を行った。その成果の一つとして、兵庫大学高等教育研究センターの紀要『兵庫高等教育研究』第4号(2020年3月)に「私立大学の学部学科編成の変化-兵庫県を中心に」と題する論文を執筆した。 そこでは1980年から2019年までの兵庫県内の各私立高等教育機関の組織変化を、垂直的拡大(短大・大学)、水平的拡大(学部の専門分野)、学生数から見た規模の拡大の3点から分析した。知見を3つに整理すると以下の通りである。第1に、兵庫県の私立大学の半数以上が短期大学から大学に昇格した大学であること、第2に、1980年代以前に昇格した大学は女子短期大学から女子大学へ昇格し、文学、家政、教育系の学部を設置したが、1980年以後に昇格した大学は、短大時代から共学で、大学昇格時に文学、経営、看護系等の学部学科を設置したこと、第3に、高度成長期に昇格した大学は1980年代以降に昇格した大学よりも大規模に成長したこと、しかるに1980年代以降に昇格した大学は学部学科の改組を頻繁に行ってきたが、入学定員の充足が十分でない大学が多く中には大学を閉鎖した大学もあった。これらの対照的な発展パターンの背後には大学昇格後の18歳人口という環境要因があった。1980年代以降に昇格した大学が18歳人口の減少という環境の中で十分な成長ができなかったことが見て取れる。これらの知見は、他の都道府県でも見られるであろう。今後、鋭意分析する。 また本研究で計画している18歳人口の将来推計の準備作業として、中教審「2040年グランドデザイン答申」で示された2040年の高等教育人口推計値の検討を今年度も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では今年度で研究を終了する予定であったが、3年目に大学を異動し新しい職務に就いたこともあり十分な研究を行うことができなかった。 納得できる成果をあげるために研究期間の延長を許可していただいた。
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今後の研究の推進方策 |
1年間の研究機関の延長を許可されたので、次年度は当初の計画通りの成果をあげるよう努力したい。新しい職場で研究環境が整備され、本研究の活動を行う基盤が整ってきたので、次年度は十分な時間を投入し、成果の発表と論文執筆を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
戦後の大学の学部学科のデータの入力と分析において、1990年代以前のデータの編集作業を謝金を使用して行う予定であったが次年度に作業を繰り延べたため、次年度使用額が生じた。次年度は、当初から作業を行い、当初計画していた研究を完遂したい。
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