残念ながら沖縄県は、学力の最も低い地域として知られている。そしてこれまでの申請者による研究により、その原因は沖縄の子どもたちの基本的生活習慣が確立されていないことにあることがわかっている。本研究の目的は、全国最下位の沖縄の小中学生(離島を含む)の学力を、生活習慣を確立させる取組(学力調査や質問紙調査の実施等)を通して全国平均並みに向上させることである。 ここで離島に注目するのは、沖縄本島の子どもたちに比べ、さらに学力が低く、生活習慣も確立されていないと考えられるためである。生活習慣の改善を通して、こうした地域間学力格差を解消することができれば、沖縄県全体の学力を向上させることができるだろう。 最終年度となる今年度も小中学校における学力テストと質問紙調査を実施した。その中でわかったのは、本島の小中学生は離島に比べ、不登校傾向が高く、学校適応感が低いことが明らかになった。 これは近年の学力対策の弊害とも言えるだろう。特に小学生の急激な学力上昇にともない、そのしわ寄せが心理的側面に影響を及ぼしていることが示唆された。近年の不登校率の上昇との関連が危惧される。
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