研究者がこれまで、不登校やひきこもりの子を抱える親への支援(個別相談対応や家族会でのグループミーティングの進行、オープンカウンセリングなど)や調査を通じて得た情報から、不登校やひきこもりの子を抱える「支援困難な親」の中には、1)問題が長期化し、問題の解決に対して無気力となっている親。2)子どもに対して過度のコントロールをしようとする親。3)恥ずかしさから家族会などに参加することを躊躇したり、外部の支援に繋がることを避けようとする親。4)親自身は何もしようとせず、カウンセラーやソーシャルワーカー、保健師などの外部の専門家に対して、過度に依存する親がいる。ことがわかってきた。 前年度(2017年度)までの調査研究によって、上記のような「支援困難な親」が、彼らの問題解決のために避けるべきポイント(要因)について、それぞれ1)「無気力(Apathy)になることを避ける」、2)「コントロール(Control)することを避ける」、3)「孤立(Isolation)することを避ける」、4)「専門家に過度に依存(Dependence)することを避ける」とそれぞれ名称をつけ、4つのポイントの頭文字から問題を解決するために「親が避けるべきACID(酸味)」とした。 今年度(2018年度)は、4つのポイントに基づいて作成したチェックリスト(4要因に各5つの質問項目、合計20項目によるチェックリスト)を不登校やひきこもりの問題を抱える親にセルフチェックしてもらい、チェックリストに対する疑問や意見を集約し、チェックリストの質問項目の改訂を行った。
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