研究課題/領域番号 |
16K04620
|
研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
黄 丹青 目白大学, 外国語学部, 教授 (10550692)
|
研究分担者 |
岩崎 久美子 放送大学, 教養学部, 教授 (10259989)
大和 洋子 国立教育政策研究所, その他部局等, 特別研修員 (30724413) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 国際バカロレア / 大学進学 / 社会ニーズ / 制度の構築 / エビデンス / 教育課程の改革 / 日本と中国 / 日本と香港 |
研究実績の概要 |
公立高校へのIBDP導入の枠組み形成をテーマとする本研究が主に進路、拡大の推進力及び教育課程の改革について成果を出した。
教育の成果の一つである卒業生の進路は導入の目的にもかかわる重要なテーマである。それを見ると、中国と日本の間に大きく異なっており、中国では少数の香港とシンガポールを除き、ほぼ欧米諸国の大学に進学するのに対して、日本ではDP校卒業生の大多数の進学先が国内の大学である。その原因を社会的ニーズをはじめ、大学進学に関する法制や教員制度に着目し、学校と教育行政の在り方を検討し、香港比較教育学会で発表した。 拡大の推進力にも大きな違いがみられる。日本では官民一致で審議会や委員会により、極めて組織的に計画的に推進していると思われるのに対して、中国では個々の学校の独自の活動に頼り、そこに教育エージェントが大きく働きかけ、欠けてはならない存在となる。横の連携に関しては、現在のところSNSのグループチャットがメインと思われる。それが台湾の教育社会学会で発表された。 日本と香港では、IBの導入が教育課程の改革と密接に関わっており、実績の一つは日本のエビデンスに関して分析したものであり、『体育科教育』で発表された。もう一つは香港の中等教育制度改革を対象にまとめたものであり、アジア教育学会で発表された。 この研究では、比較研究にとどまらず、日中間のIB研究に関する交流も大事である。日本のIBDP導入に関して中国の『外国語教育』にて紹介をされた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
おおむね計画通りであるが、中国の動きが予想以上にも早く激しく、昨年度は現地での実地調査や会議の参加、資料の読解による現状把握に多くのエネルギーを割き、まとめるまで行かずじまいであった。
|
今後の研究の推進方策 |
2019年度の主な目標は調査研究の成果のまとめである。
一つはスピーディに多様な形で展開する中国のIB及び国際教育を整理することである。 もう一つは日本との比較をしながら、理論的な枠組みを検討することである。 現地での調査や資料を追うことで事実はかなり見えてきましたが、学術的にストーリを組立て、明確に説明するのが今年度も課題となる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今までの調査結果を世に問うのが今年度の課題である。論文投稿は特に費用が生じないが、学会発表として香港比較教育学会、中国教育社会学会への参加が予定されている。旅費と参加費が必要である。論文以外に、得た情報を冊子にまとめることも始めており、その印刷費用が必要である。 論文作成に当たって、引き続き日中両国の新しい研究成果と資料の収集が必要であり、同時に今後の研究に生かすため、こちらの成果を関係者や同業の研究者に配布することも予定されており、一定の費用が必要。
|