研究課題/領域番号 |
16K04633
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研究機関 | 富山国際大学 |
研究代表者 |
水上 義行 富山国際大学, 子ども育成学部, 教授 (20555198)
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研究分担者 |
瀬戸 健 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (30510036)
稲寺 秀邦 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (10301144)
村上 満 富山国際大学, 子ども育成学部, 教授 (10555197)
大平 泰子 富山国際大学, 子ども育成学部, 講師 (00555188)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 学校組織 / 活性化 / 教員 / メンタルヘルス / 組織の健康 / 生活科 |
研究実績の概要 |
今年度は、富山県内の小学校17校を訪問し、校長を対象としてインタビューを実施した。自信を喪失する教員やメンタルヘルス不調で休職する教員の増加に関連する要因について現場において管理職として経験的に感じていること、また、学校現場における教員の人材育成や資質向上に関する取り組み等について小学校長から意見聴取を行った。17名の小学校長にインタビューで聴取した内容から、学校組織の活性化や教員のメンタルヘルスに関して、「個々の教員を育て組織を育てる」、「仕事での苦労や喜びを語ることが仕事に対する意欲を高めることにつながる」といったことが、学校現場における管理職の実践知として抽出された。そして、現場での人材育成において感じている困難さや、「学年部会の充実を図る」などの学校現場における具体的な工夫についても報告された。 さらに、教員を対象とした大規模な質問紙調査を実施するに先がけ、今年度は、若手教員を対象として仕事上に関するストレス要因(教員生活で不安に思っていること)について小規模な質問紙調査を実施した。対象は20代の教員48名で、そのうち39名から回答が得られた。その結果、教員経験年数の短い若手の教員においては、指導技術、教材研究・解釈、教科の専門的な知識といった教科指導に関する事項が不安に思う事項として多く挙げられ、それとともに、児童の問題行動への対応や学級経営など、個々の児童や学級集団との関わりについても多く挙げられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小学校の校長や教頭を対象として初年度に実施したグループインタビューは、音声データを文字化したが、まだ統計学的な解析を行っていない。今後、質的データとして解析を進めていく予定である。質問紙調査については予備的な調査を行ったところであり、次年度に大規模な調査の実施を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
富山県内の小学校長を対象としたインタビュー調査は、次年度も引き続き実施してデータをさらに蓄積するとともに、得られたデータについて分析を行う。県外でも視察調査を実施する。教員を対象とした大規模な質問紙調査については、研究チームでの連携を密にし、調査実施の具体的な方法について詳細を検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査による量的データの収集については、今年度は予備調査を行ったところまでで、次年度に大規模な質問紙調査を次年度に実施する予定である。それに関わる物品等の購入や調査実施に伴う費用の支出を次年度に行うこととなった。 次年度は、質問紙調査の実施に向けて研究チームでの打ち合わせを行い、調査用紙の印刷やデータ入力など、調査実施とデータ分析のための経費を使用する。また、引き続き数を増やして実施する県内小学校の訪問や、県外の学校視察のために、旅費を使用する。
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