研究課題/領域番号 |
16K04634
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
小西 尚之 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 講師 (20634091)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 教育学 / 教育社会学 / 高校教育 / 進路選択 / キャリア教育 / 総合学科 / ライフストーリー / パネル調査 |
研究実績の概要 |
本研究は、在学時からの追跡調査の結果をもとに、総合学科の科目選択やキャリア教育が生徒の卒業後の生活や人生にどのような影響を与えているのかを明らかにすることによって、総合学科教育の検証を行うことを目的としている。そのために、総合学科高校における進路選択の過程を検証するとともに、総合学科の教育内容が高校卒業後の職業人生にどのような影響を与えているのかを明らかにすることを目指している。具体的には、調査対象の総合学科高校における3年間の在学中のパネル調査に加え、卒業後もアンケートとインタビューを行うことによって追跡調査を実施する。さらに、全国の総合学科高校に対するアンケート調査も行う予定である。 研究1年目(平成28年度)は、卒業生に対してすでに実施済みのインタビュー・データの再分析を行い、そのためにテキストマイニングなどの質的データ分析に関する方法論の検討を行った。研究2年目(平成29年度)は、調査対象校の卒業生に対する追跡調査の準備作業として、学校側と調査項目の検討や調査方法の確認などを行った。そして、研究3年目である今年度(平成30年度)は当初より計画していた、調査対象校の卒業生に対する追跡アンケート調査を実施することができた。予定より調査準備に時間がかかってしまったが、その分回収率も予想より高く、意義のある調査ができたと考えている。また、アンケート調査の分析結果を通じて、インタビュー調査の対象者の選定や準備も行うことができた。さらには、総合学科全国調査の準備として、全国総合学科高等学校長協会の担当者の方々と意見交換を行い、協会から全面的な協力体制を得ることができた。以上のように、今年度は卒業生に対するアンケート調査実施に加え、最終年度(2019年度)に実施予定の卒業生に対するインタビュー調査と全国総合学科調査の準備作業を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要でも記したが、当初から予定していた卒業生に対する追跡アンケート調査を実施することができたが、当初の予定からは2年遅れての実施なので、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度である今年度(2019年度)は、全国総合学科高等学校長協会の協力を得ながら、その加盟校すべて(2018年度は358校)にアンケート調査を実施し、総合学科教育の実態を探る予定である。また、それと並行して、アンケート調査によって協力を申し出てくれた26人の卒業生の方にインタビュー調査を行う予定である。以上を含めたこれまでの研究結果をまとめて、最終的には報告書を作成し、高校教員向けの調査報告会(シンポジウムやワークショップ等)を開催する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
これは研究1年目(平成28年度)に実施を予定していた卒業生に対するアンケート調査と2年目(平成29年度)に予定していた卒業生に対するインタビュー調査、そして研究3年目(平成30年度)である今年度に予定していた全国総合学科調査が当該年度には様々な要因から実施できず、3つのすべての調査が1~2年遅れで実施済み、あるいは次年度に実施予定だからである。 最終年度の次年度(2019年度)は、残る2つの調査(インタビュー調査と全国調査)を実施する予定であり、それらの調査実施に関わる調査外部委託費や、データ保存用の大型パソコン購入費、さらには分析用の統計ソフト購入費を計上する予定である。また、調査結果を発表するために参加する複数の学会の旅費や、調査報告書の印刷費、調査報告会の会場使用料等も計上する予定である。
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