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2016 年度 実施状況報告書

グローバル世界における近代的歴史教育形成の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K04642
研究機関名古屋経営短期大学

研究代表者

武 小燕  名古屋経営短期大学, 子ども学科, 准教授 (00634578)

研究分担者 近藤 孝弘  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (40242234)
小笠原 弘幸  九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (40542626)
岡本 隆司  京都府立大学, 文学部, 教授 (70260742)
貴堂 嘉之  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (70262095)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード歴史教育 / 比較教育 / 学校教育 / 国民形成 / グローバル / 伝統 / 近代化 / ナショナリズム
研究実績の概要

本研究はグローバリゼーションが拡大しながらも、文明・文化間の衝突がやまない今日の社会に歴史教育の視点から貢献すべく、中国と日本を含む世界6か国における歴史教育の草創期への注目を通じて、近代社会と学校教育で生じた伝統史学と近代史学との葛藤、自国史と他国史における文化的な多様性と対立点を描き出すことを目的とする。
本年度は研究計画書通りに3回の研究会を名古屋で開催し、それぞれ次のことを検討した。第1回研究会では、5名の研究者からなる研究体制で問題意識と研究手法に関する共通理解を図り、3年間の研究計画の再確認と初年度の予定について打ち合わせた。第2回研究会では研究分担者の岡本隆司より「『中国の論理』とそこから見る中国の歴史教育の課題」、研究代表者の武より「清末から民国初期までの中国における歴史教育の在り方」が報告され、近代中国の歴史教育が形成された社会的背景とそのあり方について検討した。第3回研究会では研究分担者の近藤孝弘より「ドイツにおける歴史教育改革-過去にどこまでさかのぼれるか」、研究分担者の小笠原弘幸より「近代トルコにおける歴史教育と教科書」について報告され、ドイツとトルコにおける近代的な歴史教育の在り方について検討した。
現地調査について、武は予定通りに北京の北京師範大学等で資料調査を行い、歴史教育の草創期の教科書や資料を多数収集した。小笠原弘幸はトルコの政治状況を鑑みて渡航を延期したが、これまで進めてきた基礎研究に基づいて研究会での報告を行い、来年度の適宜な時期に現地調査を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

5名の研究者による6か国を対象とする研究であるが、3回の研究会を通して他国の歴史教育に対する一定の理解及び本研究の問題意識と研究手法に対する共通理解が順調に形成されていると思われる。

今後の研究の推進方策

研究対象の6か国のなかでまだ報告されていなかったアメリカ、韓国、日本について担当の研究者に報告してもらうほかに、H28年度の研究会で報告された国々については、議論された論点をふまえて追加調査と追加報告を行う予定である。また、学会等で発表を行っていく過程で研究を修正する。追加調査と学会発表で得られた視点を研究会で検討しながら、本研究の結論を探っていく。

次年度使用額が生じた理由

来年度に繰越金が生じた最大な理由は次の2つある。①韓国の研究協力者を招聘する予定であったが、初年度に科研費をいただくのがやや遅い時期であったことと、それによって研究の年度計画や共通理解を図る第1回の研究会の開催が遅れたため、研究協力者との年度内の日程調整ができなかった。②研究分担者によるトルコへの渡航と資料収集が予定されていたが、トルコの政治状況を鑑みて渡航が延期されたためである。

次年度使用額の使用計画

①来年度は韓国の研究協力者を招聘し、本研究の対象国である韓国の歴史教育の草創期について報告してもらう予定である。②来年度はトルコの政治状況を鑑み、研究分担者によるトルコへの渡航と資料収集は適宜な時期に行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] トルコ共和国建国期の歴史教育におけるイスラーム史―教科書の記述分析より2017

    • 著者名/発表者名
      小笠原弘幸
    • 雑誌名

      2016年度大学研究助成 アジア歴史研究報告書

      巻: 2016年度 ページ: 95-115

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] (書評)セズギ・ドゥルグン著『王の領地から祖国へ』2017

    • 著者名/発表者名
      小笠原弘幸
    • 雑誌名

      史淵

      巻: 154 ページ: 147-154

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 「歴史総合」の課題をドイツから考える-カリキュラム改革の差異をめぐって-2016

    • 著者名/発表者名
      近藤孝弘
    • 学会等名
      日本歴史学協会歴史教育シンポジウム
    • 発表場所
      駒沢大学
    • 年月日
      2016-10-22
    • 招待講演
  • [図書] 中国の論理――歴史から解き明かす2016

    • 著者名/発表者名
      岡本隆司
    • 総ページ数
      xvi+232頁
    • 出版者
      中央公論新社

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公開日: 2018-01-16  

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