研究課題/領域番号 |
16K04644
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
三輪 千明 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (00345852)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 就学前教育 / 長期的効果 / 追跡調査 / 進学状況 |
研究実績の概要 |
本研究は、ノンフォーマル教育としての就学前教育プログラムへの参加が、その後の初等教育修了や前期中等教育への進学等に、どのような長期的影響をもたらすのかを実証的に明らかにすることを目的とするものである。具体的には、2008~09年にカンボジアのA州農村部のコミュニティ・プレスクールに参加した幼児141名と公立幼稚園に就園していた幼児104名、どのような形態の就学前教育にも不参加であった81名から成る計326名の子どもの8~10年後の追跡調査を行うものである。 今年度は、これまでの研究結果を新たな視点から分析しなおし、2016年9月に学会発表を行った。その後、文献調査を通して第1次追跡調査に用いる調査票案を作成した。2017年2月には第1次追跡調査の準備と事前調整のため、調査対象州を訪問した。最初に、前回の研究結果のまとめについてクメール語に訳された資料をもとに現地教育行政官に対する報告会を実施し、質疑応答や意見交換を行った。次に、追跡調査の実施に向けた事務的調整を行うとともに、複数の学校や村を訪問し、調査票案のプリテストも実施した。帰国後、それらの結果をもとに調査票の内容を再考し、調査実施に向けた準備を整えた。2017年3月に同州を再訪し、現地教育局や県教育部の協力を得て、調査対象州内の2つの県における第1次追跡調査(12日間)を実施した。計326名の就学状況について、就学中の場合は中学校や中等教育学校、小学校への訪問を行い、中途退学者の場合は各村の家庭訪問を行い、就労者の場合は週末に訪問するなどして必要なデータを収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では現地報告・現地調査は2016年夏の実施予定であったが、学内業務の関係から、2017年2~3月での実施となった。しかしながら、計画していた調査内容はほぼ問題なく実施できた。唯一、学業成績については当初よりデータ収集の困難が予想されたが、管理状況が学校間で大きく異なり、収集を断念した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画に特に大きな変更はない。2017年度は3月に入手したデータの入力と分析、結果発表を行う。また、再度、現地訪問を行い、フォローアップとしての質的調査を実施予定となっている。
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