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2017 年度 実施状況報告書

情報の科学的な理解に基づく統合型システム思考形成の題材開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K04651
研究機関岩手大学

研究代表者

宮川 洋一  岩手大学, 教育学部, 准教授 (70552610)

研究分担者 市原 靖士  大分大学, 教育学部, 教授 (20572837)
森山 潤  兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (40303482)
島田 和典  東京学芸大学, 自然科学系, 准教授 (50465861)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード統合型システム思考 / システム思考 / ESSシステム思考 / 情報の科学的な理解 / プログラミング教育 / 情報モラル
研究実績の概要

本研究では,「情報システムと人間と共生,協働する社会」において必要となるコンピテンシー(能力)と考えている「システム思考」(ITとものづくりを統合させた見方・考え方に基づき,論理的思考力や創造性を発揮するための思考概念)と,「ESSシステム思考」(ICTを活用していく上で安心・安全の確保[Ensuring Security and Safety]を図るための中核となる思考概念)について,「情報の科学的な理解」に基づく両者をクロスした「統合型システム思考」の概念と構造とを明らかにした上で,小・中・高等学校を対象とした題材開発をそれぞれ実施し,実践・実証的評価を行うことを通して,学習者の「統合型システム思考」を形成しうる学習指導の構築を目的としている。
H29年度は,中学校において,「システム思考」を形成する「プログラムによる計測・制御システム」の授業実践,「ESSシステム思考」を形成する「情報モラル・セキュリティ」の授業実践に関して,いずれも「情報の科学的な理解」に基づく取り組みを行い,その成果の取りまとめを行った。前者の取り組みにおいては,論文として掲載され,後者の取り組みは,論文として掲載予定になっている。また,小学校においては,新しい学習指導要領において必修化される,いわゆるプログラミング教育が,本研究題目でもある「統合型システム思考」の中心に位置付くと考えられることから,小学校5年生を対象に「社会の交通輸送システム」に着目した教材化と具体的な実践を行った。なお,これらの研究を通して,指導する教員の養成・研修が大きな課題として浮き彫りになった。これについても,どのようにしていけばよいのか,特に小学校教員をめざす学生の「統合型システム思考」の形成を図るカリキュラムのあり方等を検討する際,必要となる基礎的知見を得るため,まずは大学生の情報社会に対する知識・認識についての実態把握を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究課題に対するH29年度の計画は,①小学校における「統合型システム思考」育成の題材開発,②中学校における「統合型システム思考」育成の題材開発,③高等学校における「統合型システム思考」育成の題材開発であった。この内,①と②については,計画通り進んでいる。また,③については,高等学校の新しい学習指導要領の公示を踏まえて実施した方が現実的であるため,平成30年度に検討することにした。一方,最終年度に計画していた小・中・高一貫教育のための新たな課題の明確化については,特に教員の養成・研修のあり方という点が明確になってきており,一部その対応を前倒しで進めていることから,「おおむね順調に進んでいる」と判断した。

今後の研究の推進方策

研究課題に対するH30年度の計画は,①小学校における「統合型システム思考」育成の実証研究,②中学校における「統合型システム思考」育成の実証研究,③高等学校における「統合型システム思考」育成の学習のフレームワーク構築である。この内,②についてはすでに一定の成果が得られている。これらを踏まえ,①の分析・論文化,③についての遂行を通して,本研究課題のまとめとして「統合型システム思考」を育成するための小・中・高一貫のカリキュラムの提案を行う予定となっている。また,平成29年度の取り組みで本研究課題の新たな課題となった児童・生徒の「統合型システム思考」を育成できる教員の養成・研修についても,引き続き検討していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究計画立案当時,平成30年3月開催を想定していた国際会議(これまで3月が定例開催であった)が,平成30年4月開催になったため,参加できないことになった。その一部は,最終年度に計画していた小学校の実践に係る教材へ変更(物品費)したが,生じた差額は繰り越すことにした。
繰り越した予算については,日程調整の上,本年度開催予定の国際会議への旅費として充てる計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 大学生における技術の学習の有用感と技術に対するイメージとの関連性2018

    • 著者名/発表者名
      宮川洋一
    • 雑誌名

      日本産業技術教育学会誌

      巻: 60 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] SNS操作体験型教材を活用した情報モラル教育の実践とその効果-中学校技術・家庭科技術分野の学習を通した態度形成-2018

    • 著者名/発表者名
      三田正巳・宮川洋一・濱端航大
    • 雑誌名

      コンピュータ&エデュケーション

      巻: 44 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 試行を通して問題の解決策を具現化する力を高める計測・制御プログラミングの題材開発と実践2017

    • 著者名/発表者名
      加藤佳昭・佐藤和史・宮川洋一
    • 雑誌名

      日本産業技術教育学会東北支部研究論文集

      巻: 10 ページ: pp.17-24

    • 査読あり
  • [学会発表] 「SNS Chat!」を活用した情報モラル教育の実践2017

    • 著者名/発表者名
      宮川洋一・濱端航大・三田正巳
    • 学会等名
      日本産業技術教育学会第60回全国大会

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公開日: 2018-12-17  

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