本研究は、社会科の問題解決の文脈で学習者が運用する4つの対話スキルを「議論コンピテンシー」と名付けた。説得、探究、交渉、熟考の4つの対話スキルである。本研究の目的は、この議論コンピテンシーを育成する単元を小学校と中学校で開発し、資質・能力ベイスの新たな社会科カリキュラムのあり方を提示することである。 本研究で明らかになった点は2つある。第一は、社会科に本質的な概念(民主主義、環境への負荷等)を中核に、単元の対話の文脈を設定することである。第二に、そうした概念や対話スキルを学習者が異なる内容領域で繰り返し用いる機会を用意することで、資質・能力ベイスの社会科カリキュラムが可能になることである。
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