本研究は、美術鑑賞プロセスにおける思考の柔軟性と深化を促す学習方略の理論的フレームを構築し、具体的な学習支援ツールを開発し、その効果と課題を実証的に考察したものである。 その結果、美術鑑賞スキルを活用したメタ認知のモデルを、鑑賞での思考の深まりを促す理論的フレームとして提案した。また、美術鑑賞における本質的な問いやジレンマを喚起するトピックを教材化し、ロールプレイやグループワークを活用した討論や思考プロセスの視覚化を促す学習ツールを開発した。特にジレンマの教材化では、美術やデザインに関して賛否が議論され社会問題化した事例をシナリオにし、その判断や問題解決のための思考ツールを開発して検証した。
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