研究課題/領域番号 |
16K04666
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
本橋 幸康 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (80386549)
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研究分担者 |
佐野 比呂己 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (60455699)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 学力調査 / 国語 / 教育課程 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、国語学力調査を活用した学習指導改善の実践史的研究である。学力調査の取り組みの成果と課題、意義について考察を行うものである。 前年度に引き続き、 本年度は、主に昭和30年代を俯瞰しながら、学力調査、学力調査報告書に見られる国語学力観、学習指導観について分析、考察を行った。昭和20年代後半から昭和40年代前半にかけての文部省「全国学力調査」や地域学力調査資料、学力調査を活用した授業改善の取り組みに関連する資料の収集を行った。 今年度の資料調査先は、主に広島県立図書館・鳥取県立図書館・島根県立図書館・徳島県立図書館・香川県立図書館・福岡県立図書館・佐賀県立図書館・長崎県立図書館・大分県立図書館である。 同時並行して資料の記述分析を行い、その一部の成果を国語教育史学会にて「1960年前後の国語学力調査における学力観」として研究発表を行った。特に、1960年前後の文部省「全国学力調査」の報告書には、授業改善をねらいとした学習過程の重視の学習指導観、能力と能力との結びつきを重視した国語学力観を見出すことができると指摘した。また、「学習過程」といったキーワードや沖山光や平井昌夫といった国語教育関連の研究者の国語教育観との関連が地域教育研究所の学力調査報告書には見られたことから、どのように授業を改善し、学力の課題に取り組んでいたか具体的に教育課程や授業実践の面からも実態を把握し、考察することが重要であると指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全国都道府県立図書館および地域教育研究所図書室等にある学力調査に関連する資料の収集を着実にすすめ、主に九州・沖縄地区、四国地区の一部以外はおおよそ資料調査を完了しつつある。引き続き、最終年度においても引き続き資料調査を行い、全国を俯瞰して、調査報告書等における児童・生徒の学力の実態報告、学習指導改善の指摘等を分類整理し、国語学力観や学習指導観についてまとめつつある。 県立図書館、教育研究所に当該年度の資料がみられない県および市については、他の都道府県教育研究所、県立図書館や国立教育政策研究所教育図書館、国会図書館等において資料収集に取り組む。
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今後の研究の推進方策 |
本研究最終年度である本年度は、引き続き資料調査を行うと同時に、資料の分析、考察を行い、研究発表を予定している。 学力調査、学力調査報告書だけではなく、地域教育課程の調査も並行して取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)年度末に予定していた資料調査(高知県立図書館)が、図書館工事のため行えなかったため、また、年度末の調査直前に判明したため対応ができず、次年度使用額が生じてしまった。
(使用計画)最終年度に行う資料調査にあてる。資料調査においては、研究協力者に協力を仰ぎ、着実に取り組めるよう事前に情報調査をして行う。
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