研究課題/領域番号 |
16K04669
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
森田 真吾 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10361403)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 多様な言語材 / 共同制作 / 主体的な学び / 対話的な学び |
研究実績の概要 |
本研究は、国語科指導において「多様な言語材」を学習者自らが「作る」ことの教育的な意義を積極的に認め、それを活かした授業開発を行うことを目的としている。 昨年度までは、主にこれまでの国語科指導の中で「多様な言語材」を作るという活動がどのように位置づけられようとしてきたのかという点について先行実践の収集や教科書教材の調査・検討を行うとともに授業モデル開発のための予備調査(試行活動)を行い、作られた言語材が活かされるための相互交流の工夫が新たな「場」の創出の契機となるという仮設的な知見を得ることができた。 以上をふまえ、今後実際の授業モデルを開発するにあたって、今年度はこれからの国語科指導において求められる「主体的・対話的で深い学び」を実現するために「多様な言語材」を作るという活動をどのように組織すべきなのかという点について新たな試行活動を行うことによって検証することとした。具体的には、勤務大学における大学2~4年生を対象とした授業において、グループによる言語材の共同制作を実施。グループで一つの言語材を作るという活動とそれぞれ個別の言語材を作るという活動とでは言葉の学びにどのようなちがいが見られるのかについて検討を行った。 その結果、 グループによる共同制作はグループの成員一人一人の個性がより活かされる形での作業分担が円滑な形で行われるとともに一つにまとめ上げられるに至るまでの意見の摺り合わせの過程で成員同士の対話(合意形成)が促進されるという仮設的な知見を得ることができた。 また、今年度は多様な言語材を作るにあたってのツールとしてソーシャルメディアの視点を取り入れつつツイッターを用いた共同物語創作の可能性について検討するとともに、共同制作を行うグループの成員構成に注目しつつインクルーシブ教育への援用可能性についても検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学での授業における受講生の取り組みに基づいた試行活動により、多様な言語材を作ることを活かした授業モデルを構築するための知見は着実に蓄積されている。しかし、それを小・中学校の国語の指導の実際と照らし合わせるという作業がやや不十分である点が、当初の計画に比してやや遅れているいると思われる箇所である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究としては、まずはこれまでに得られた授業モデルを開発するための知見の妥当性を確かめるため、実際に小学校・中学校に勤務する現場の先生方との意見交換を研究会を組織することによって実現し、そこでの協議内容を今後の検証授業の内容に反映させていくことを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 公務の関係上、今年度参加予定であった学会ならびに公開研究会に参加が叶わず、旅費を使用できなかった点と予備調査に係る報告書の作成が遅れていることによる。 (使用計画) 県内のみならず今年度は県外で行われている小・中学校の公開研究会を視野に入れ、各地の国語教育の実況について自身の研究テーマと照らし合わせながら情報を収集するとともに、授業モデル作成に向けた協議の場(研究会)を充実させていくことに使用していく。
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