平成30年度の研究目的は、生徒の思考・判断・表現を活性化するために、前年度の研究で考案した異なるタイプの具体的な発問をもとにしながら、授業のあらゆる場面において、どのように事実発問、推論発問、評価発問を連携させることができるか発問の活用方略をさらに具体化することであった。 事実発問、推論発問、および評価発問を連携させて授業を行うことで、生徒のより深い思考を促し、指導後に生徒に意見や考えを英語で表現させる活動においても豊かな表現を促すことができることを、「聞くこと」「読むこと」「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」「書くこと」の5つの領域別に具体的な発問の目的ごとに具体的発問を提案した。 「聞くこと」の指導では、大まかな情報や詳細な情報を聞き取らせる、聞き取ったことをもとに推測させる、概要や要点を把握し英語で説明させるなどといった発問を提案した。「読むこと」の指導では、導入で生徒の興味・関心を高める、大まかな情報や詳細な情報を読み取らせる、テキストに書かれていない情報を推測させる、読んだことをもとに生徒の経験や考えを引き出すなどの発問を提案した。「話すこと(やり取り)」の指導では、即興で話をさせる、会話を継続させる、会話の内容を深める発問を提案し、「話すこと(発表)」の指導においては、目的・場面・状況を考えさせる、メモなどを活用して発表させる、まとまりのある内容を発表させる、説得力のあるスピーチをさせる発問を提案した。そして、「書くこと」の指導では、目的・場面・状況を考えさせる、モデル文から役立つ語句を表現に気付かせる、書きたい内容を絞らせる、具体的な事柄について書かせる、事実や考えを整理させる、理由とともに考えを書かせる発問などを提案した。
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