研究課題/領域番号 |
16K04678
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
栗田 真司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00195554)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 9、10歳の節 / 描画心理 / 感性アナライザ / 思考口述法 / プロトコル分析 |
研究実績の概要 |
9、10歳頃に絵を描くことに意欲をなくす子どもたちがいる。「9歳の節」あるいは「10歳の節」と呼ばれる現象である。本研究の目的は、描画活動における「9歳の節」や「10歳の節」に着目し、描画への表現意欲が低下する要因(描画内容、指導法、描画材料、環境など)について定性的な個別調査によって明らかにすることである。 意欲については、「好き」、「興味」、「集中」、「眠気」、「ストレス」の5つの状況を脳波によって分析できる感性アナライザを用い、描画時の子どもの内的状態を計測している。描画は、見て描く、経験したことを描く、想像して描くなど内的過程によっていくつかに分類することができる。これらの活動の何がどのような理由で表現意欲を低下させているのかを検討している。特に意欲という内的な概念を感性アナライザによる脳波測定や心拍数測定によって外在化し分析することがこの研究の特徴である。具体的には、描画に対する表現意欲が低下した子どもに対して、個別の対話的面接を行った。ラポ-ルの確立後、自分が考えていることを発話しながら描く練習を繰り返す。そして次の課題による描画実験を実施してその様子を観察する。描く内容は、チョキの手と自分の顔を想像して描くことと、見ながら描くことである。この課題の解決事態中に被験者の気付いたこと考えていることなど一切を発話する思考口述thinking aloudの同時報告法を用いた個別描画実験を実施し、プロトコル・データを収集した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
複数の小学生の調査協力が必要であったが、小学校や保護者への説明、日程調整が難航し、予想以上に時間を要した。また感性アナライザを用いた描画実験では、度々データが途切れてしまい、機器の調整が順調ではなかった。データの解析にも課題が発生している。
|
今後の研究の推進方策 |
・感性アナライザを用いた研究論文を検討し、機器の調整、データの解析を進める。 ・脳波や心拍数から意欲低下の要因とストレスとの相関について考察する。
|