研究課題/領域番号 |
16K04684
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
峯 明秀 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10379323)
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研究分担者 |
唐木 清志 筑波大学, 人間系, 教授 (40273156)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 社会参加 / 政治的関心 / 教室の雰囲気 / 授業実践 |
研究実績の概要 |
価値判断・意思決定から社会参加に向かう理論と実践の往還をいかに実現するかをテーマとして、学習材の開発・実践・検証のための会議を2回もった。「社会科教育学研究方法論の国際的検討」プロジェクトで使用したIEA(国際教育到達度評価学会)のアンケート調査指標を拠り所として,市民的知識,情報解釈の技能,民主主義に対する生徒の概念,政治関連組織に対する信頼度,政治的関心・活動,教室・学校での市民的参加の機会に対する生徒の見解の項目から各校種・学年段階の調査用紙を作成した。インストラクションによって,どのように変化するか,プレテスト・ポストテストとして用いることを確認した。 海外との比較研究では、6月開催の日本公民教育学会において「社会科教育における市民リテラシー再考-実生活での活用場面と組み合わせた社会参加技能の直接的指導-」を発表した。10月の全国社会科教育学会では、Launch Event of New Journal: Journal of Social Studies Education in Asia (JSSEA):How can Social Studies answer to the needs of society?をテーマとする課題研究のコーディネートを行い、フィリピンと韓国の社会科がどのような役割を担うのかについての意見交換を行った。そこで、年度末の2月に社会系教科教育学会において、ソウル教育大学研究者と児童生徒の社会参加に直接つながる実践例として、韓国国立中央博物館における児童の昼食会場使用をどのように実現したのかの共同発表を行った。また、米国のPSU大学における社会参加のためのワークショップに参加し、社会へ自己実現を図るカリキュラム・シラバスの理念について聞き取り調査を行った。選挙を直接扱う授業を体験し、教師へインタビューした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実践協力者との会議の進行はやや遅れているが、大枠の共通理解を得ているため、進展はおおむね順調である。但し、報告書からより広報へ結び付けるための出版物の交渉は難航している。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の報告書作成に向けて、広く学校現場の先生方や教員を目指す学生に理解され取り入れられることを意図して、社会科における価値判断・意思決定・社会参加をつなぐ社会形成学習を探究する実践を集成する。とくに、小中学校現場で具体的・実際的に活用可能で,実践を行う上での目的・内容・方法のPDCAの視点を明示する。共同研究者からは各実践に対する助言を入れたものにする。広報としては、社会参加に関わり主体性や協働性を伸ばすことをめざす学校現場への示唆や実践者が集う研究会での講演を行う。また、昨年度の海外調査研究をまとめ、学会等で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
報告書作成にあたり,最終年度予算と調整を行った。
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