研究課題/領域番号 |
16K04686
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
關 浩和 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (00432584)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 教育学 / 教科教育学 / 社会科教育 / 危機管理 / 協働的問題解決 / マネジメント / 授業デザイン / ウェッビング法 |
研究実績の概要 |
本研究は,協働的問題解決による危機対応マネジメント育成を図る社会科授業デザイン開発を目的とするものである。社会科授業はコンテンツ把握だけでなく,身に付けた個別の知識や技能を実生活や社会で活用できること,社会科では,知識をツールとして使いこ なせることが必要である。そのために,他者と協働しながら価値を生み出す協働的問題解決に焦点を当てて,個々に求められているマネジメント,特に危機対応マネジメント育成には何が必要なのかを解明している。 具体的には,次の手順で研究を進めている。①我が国の社会科カリキュラム及び授業実践を収集し,その構造と問題点を解明する。②授業実践事例の分析に関しては,協働的問題解決を図るための方略の視点から分類を行い,それぞれの典型的な事例で構成原理を解明する。③収集したカリキュラム及び実践事例は,授業実践データベースを開発して蓄積する。④社会科授業デザイン開発のために,危機対応マネジメント育成の基本カテゴリーに関して,構成要素を抽出し,具体的な授業に適用するための学習モデルを構築する。⑤危機対応マネジメント育成を図る社会科授業デザイン開発を中心に行う。⑥研究成果を公表するためのWebサイトの構築を行う。 今年度も引き続き,我が国における先進的な危機対応マネジメント育成に関わる取り組みや授業実践,カリキュラム,テキストなどを収集・分析して,危機対応マネジメントを育成するための授業の役割と機能を解明することができた。また,協働的問題解決による危機対応マネジメント育成を図る新しい社会科授業デザインを社会科教育の体系に組み込むための授業構造を解明し,その具体的な授業モデル開発を行った。その際,構成主義的アプローチの理論を援用して,フレームワークを構築した上で,学習者の認識内容の質的変容と主体的関与を保障する目的でウェッビング法を関連づけて取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた計画通りに進んでいると自己評価している。おおむねとしたのは,収集した実践事例や記録が膨大な量で,予定していた分析が遅れているためである。ただ,研究の進捗状況には影響ない。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は,次の五点を中心に行う。 ①我が国の危機対応マネジメント育成を意図するカリキュラム及び授業実践を収集し,その構造と問題点を引き続き解明する。②危機対応マネジメント育成を図る社会科授業デザインを実証的に修正・改良を継続する。③協働的問題解決による社会科授業デザインを開発する。④研究成果は,引き続きWebサイトで公表をする。⑤3カ年の研究をまとめ,研究成果報告書及び研究書籍を刊行する。
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