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2016 年度 実施状況報告書

ビジュアル・ツールを活用した創作文の指導法とルーブリック評価の一体的開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K04696
研究機関香川大学

研究代表者

山本 茂喜  香川大学, 教育学部, 教授 (00182626)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード創作文指導 / ルーブリック評価 / ビジュアル・ツール / 思考ツール / ストーリーマップ
研究実績の概要

本研究は、ビジュアル・ツールの活用による評価と一体化した「創作文指導」の新たな方法を、① 個々のビジュアル・ツールの特性の分析に基づく指導法の開発 ② 教員対象のマクロ・レベルの評価観点の調査分析と、学習者の物語表現と物語内容の分析に基づくミクロ・レベルの評価観点の研究 ③ ビジュアル・ツールの図形モデルに反映させたルーブリック評価の開発 の三点から構想を試みるものであり、それに基づき、ビジュアル・ツールと評価観点(ルーブリック)をシート化した、創作文の指導方法と評価法の一体化パッケージの開発を目指している。本年度はこのうち主として①の研究を行った。
第一に、我が国における創作的な活動(物語テキストを基盤としたストーリー展開としての自己表現)指導に関する先行文献と実践、および小学校・中学校の各社国語教科書における創作的な活動の実態について、過去に遡り、広く調査し、その歴史的な変遷について分析・整理をした。次いで、物語論(ナラトロジー)および認知心理学における知見を基盤として、創作的な活動の構造について原理的に考察した。
また、米国における創作的な活動の理論書・実践資料を、HPや教科書・テキスト類を含め広く調査し分析・検討するとともに、主として英米におけるビジュアル・ツールの活用についての文献調査を行った。特に、クリエイティブ・ライティングにおいて活用される英米のビジュアル・ツールについての文献を収集・分析し、考察を行った。
以上の分析検討をもとに、創作的な活動指導と評価のためのビジュアル・ツールの活用について、その原理と方法を明確化し、ビジュアル・ツールの系統的な素案を作成しているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね計画通りに進展している。ただ、小・中学校教員の創作文評価における言説の実態を、アンケートおよびインタビュー、面談調査、評語の分析によって考察する予定であったが、実施が遅れている。(具体的には、次の二点について調査する予定であった。①子どもの創作文に対する通念について。教員が、どのような創作文を優れたものとして評価しているのか。また、そのことに対して、どのような考えを持っているのか。②教員の評価観点について。教員が、子どもの創作文に対して、どのような観点から、どのような評語を記述しているのか。)これらについては、次年度に実施する予定である。

今後の研究の推進方策

まず、子どもの創作文を物語表現と物語内容、の二つの観点から分析し、発達的特徴を明らかにするとともに、評価に必要な観点を抽出する。具体的には、次の三点を行う予定である。①「欠如-補充」、「問題-解決」という物語の基本構造をふまえているか、また逸脱している場合の効果 ②物語内容における発達的特徴 ③比喩、オノマトペなどのレトリックや象徴、会話文、などの表現技法の活用とその効果
以上に基づく評価の観点をビジュアル・ツールの図形モデルの枠組みに反映させたルーブリック評価を開発する。具体的には、次の三点に留意して開発する。①着想・構想・記述の三段階を中心にした、学習者の自己評価・相互評価が可能なシンプルな評価観点の開発。 ②フレーム(例えば「欠如」と「補充」や「問題」と「解決」等)が同時にルーブリック評価の観点になるビジュアル・ツールの開発。③ルーブリック評価の観点が簡潔に書き込まれており、それが評価の観点であると同時に学習の目標ともなることが期待される、創作文の学習方法が明示・視覚化されたビジュアル・ツールの開発。
以上を踏まえ、創作的な活動のための系統的なビジュアル・ツールを開発し、発達段階に応じた学習のためのワークシートとして具現化していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

小・中学校教員の創作文評価における言説の実態を、アンケートおよびインタビュー、面談調査、評語の分析によって考察する予定であったが、実施が遅れているため。

次年度使用額の使用計画

次年度、次の二点について調査する予定である。①子どもの創作文に対する通念について。教員が、どのような創作文を優れたものとして評価しているのか。また、そのことに対して、どのような考えを持っているのか。②教員の評価観点について。教員が、子どもの創作文に対して、どのような観点から、どのような評語を記述しているのか。これらについて、アンケートおよびインタビュー、面談調査、評語の分析によって考察する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] ポートフォリオを使った評価のポイント 成長を自覚し学習の意味を実感できる評価法2017

    • 著者名/発表者名
      山本茂喜
    • 雑誌名

      教育科学国語教育

      巻: 59-3 ページ: 26-29

    • オープンアクセス
  • [学会発表] アクティブ・ラーニングにおける「思考ツール」の活用の研究2017

    • 著者名/発表者名
      山本茂喜・大西小百合
    • 学会等名
      第17回学部・附属学校園教員合同研究集会
    • 発表場所
      香川大学
    • 年月日
      2017-02-27
  • [学会発表] 国語科アクティブ・ラーニングにおける思考ツールの有効性についての研究2017

    • 著者名/発表者名
      山本茂喜・藤崎裕子・吉田崇
    • 学会等名
      第17回学部・附属学校園教員合同研究集会
    • 発表場所
      香川大学
    • 年月日
      2017-02-27
  • [学会発表] 図書館のためのビジュアル・ツール活用法2016

    • 著者名/発表者名
      山本茂喜
    • 学会等名
      第18回図書館総合展
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2016-11-08 – 2016-11-10

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公開日: 2018-01-16  

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