研究課題/領域番号 |
16K04698
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
山中 文 椙山女学園大学, 教育学部, 教授 (10210494)
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研究分担者 |
三村 真弓 広島大学, 教育学研究科, 教授 (00372764)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 〔共通事項〕 / リズム / リズム指導プラン / 音楽の諸要素と仕組み / 教育内容 |
研究実績の概要 |
本研究は、平成20年以降の学習指導要領音楽科に示されている〔共通事項〕に掲げられた、音楽の諸要素や仕組みについて、それらの下位概念の階層や関連を整理して、モデルカリキュラムを開発することを目的としている。 そのために、平成28年度は、まず、我が国における附属学校等の音楽授業研究会状況を調査した。また、モデルカリキュラムの予備調査として、〔共通事項〕のひとつである「リズム」をとりあげ、公立小学校の研究協力を得て、小学校1年生対象の音楽の授業において、リズム指導プランを2ヶ月間試行した。これらを踏まえ、次年度はリズムの年間を通した指導を行うとともに、〔共通事項〕の学習の段階性の検討をすすめる予定である。 また、幼小接続カリキュラムについて、Pacific Early Childhood Education Research Association 16th Annual ConferenceにてThe Kindergarten to Elementary School Transition Curriculum of Hiroshima Univ. Laboratory Schools: Focusing on building generic capacities and attitudes(Mimura Mayumi, Ito Shin, Kitano Sachiko, Yoshitomi Katsunobu, Yamanaka Aya, 7th-9th July 2016, Bangkok, Thailand)を発表した。 さらに、〔共通事項〕の内容や〔共通事項〕にいたる音楽科の教育内容論について再検討を行い、『音楽科における教育内容論の成立と展開に関する研究ー授業構成の方法との関連を視野に入れてー』(風間書房、2017年2月20日発行)に反映させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は、①平成28年度の全国附属学校音楽授業研究状況調査、②海外の教育現場におけるナショナルカリキュラムの影響や現場独自で作成している音楽カリキュラムの調査を予定していた。 このうち、①は順調に終了し、引き続き29年度の調査を行う予定である。 ②については平成29年度にふりかえ、平成29年度に予定していた公立学校におけるモデル開発試行を先に行った。そのため、海外の音楽カリキュラム検討については、29年度に予定している現地調査とあわせて行う。 ②と平成29年度予定のモデル開発試行の年度を入れ替えたのは、ひとつには、研究協力校の事情により早めたということもあったが、さらに29年度に同校が提携を予定しているオーストラリアの小学校とも音楽カリキュラムについて検討することが可能になったためである。研究協力校とはひきつづき平成29年度に年間を通してモデルカリキュラム開発の共同研究を行うことが決定しており、それとあわせて海外の音楽カリキュラムを検討していくことができるため、年度を入れ替え、28年度中に試行することとした。 これらの状況から、28年度と29年度の研究順に入れ替えは生じたが、総じて順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、28年度から継続して我が国における附属学校等の音楽授業研究会調査・分析を行う予定にしている。また、先に述べたように、28年度の研究協力校と1年間を通したモデルカリキュラム開発について共同研究を行うこと、同校の提携予定のオーストラリアの小学校の音楽カリキュラムを検討し、音楽カリキュラムについて情報交換を行っていくことを予定している。 研究当初は、平成29年度はイギリスのロンドンカムデン地区の音楽カリキュラムとその実施状況について現地調査を実施する予定であったが、現在の研究協力校との協同研究の関係で、オーストラリアの小学校の現地調査に変更するかあるいは追加することを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度に行う予定であった小学校のカリキュラム試行が、研究協力校との調整により平成28年度に早まったことから、平成28年度に行う予定であった海外音楽カリキュラム調査を平成29年度に行うよう、研究予定を入れ替えた。そのため、海外研究に伴う旅費、備品、人件費を28年度予算を29年度に移行したい。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に予定して海外研究に伴う旅費は、平成29年度にオーストラリアやイギリスにおいて行う。また、それに伴って予定していた備品、人件費(記録用PC、文献、翻訳・コーディネート謝金等)も同様である。
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