研究課題/領域番号 |
16K04699
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
有川 誠 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (50325437)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ドライバー / 技能 / 巧緻性 / 実践調査 / 技能指導法 |
研究実績の概要 |
平成29年度は,ドライバー操作技能指導法の開発を目指す研究の一貫(第二段階)として,開発を終えた「技能測定ドライバーシステム」を用いた,中学生に対する技能実践調査を実施した。なお,このシステムの核となる「技能測定ドライバー」は,複数のセンサーを限られたスペースに装填したデリケートな機器であるため,予備機(技能測定ドライバー・試作モデル・#2)の導入を行い,実践調査に備えた。また,開発した技能測定ドライバーシステムについて,平成29年8月に開催された「日本産業技術教育学会・全国大会(弘前大学)」において,その概要を発表した。 技能実践調査は,研究協力者の在籍中学校を平成29年12月に2日に分けて訪問し,技能測定ドライバーを用いた木ねじの締め緩め作業を事前に選抜した被験者(中学生20名)に行わせ,作業時の動作状況を「技能測定ドライバーシステム」でデータ収集した。同時に,被験者の操作状況をビデオカメラで録画した。 現在,この測定データとビデオカメラで録画した操作状況を照らし合わせ「巧緻性が高い」と判断される被験者と「巧緻性が低い」と判断される被験者に,動作状況データにどのような差異が見られるのかを分析している段階である。 なお,本研究で開発した「技能測定ドライバーシステム」は,研究代表者が所属する国立大学法人福岡教育大学の発明規程に則り,平成29年6月に「発明等届出」を行った。(平成29年7月福岡教育大学・認定)さらに,共同開発を行った企業とともに特許取得の可能性を探り,出願を行った。(平成29年8月出願)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成29年度は,当初の研究計画では技能測定装置(本研究では「技能測定ドライバーシステム」と命名)の開発を予定していた。既に平成29年度末までに「技能測定ドライバーシステム」を用いた技能実践調査まで行えたので,研究は順調に進展していると言える。 なお,研究概要にも書いたように,この「技能測定ドライバーシステム」は研究代表者が所属する国立大学法人福岡教育大学に「発明等届出」を行った後,共同開発を行った企業とともに特許出願を行った。当初,このような発明届・特許出願まで至るとは想定していなかったことから,研究は極めて順調に進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」に記載したように研究は順調に進んでいるが,現在行っている技能実践調査の分析結果によっては,被験者(中学生)の条件,ドライバー作業条件を絞った追加の実践調査が必要となる可能性がある。研究協力者には,これについて協力いただける状況であるため,時期を見定めて実施したい。 これらの結果を基に,具体的な技能指導の方法をどのような形で提起できるかを検討し,本研究の最終目標である「技能指導法の開発」に繋げたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 平成30年度は,機器の開発等,物品費に多くの費用を要する状況にはないが,「今後の研究の推進方策」に記載したように,「技能測定ドライバーシステム」を用いた追加の技能実践調査や,開発する「技能指導法」の協力校における実践等,旅費にかなりの支出が見込まれる。この予算確保のため次年度に使用額を繰り越した。 (使用計画) 技能実践調査,指導法実践等,協力校に出張する費用に使用する。また,研究成果発表(日本産業技術教育学会・全国大会・信州大学)の旅費に使用する。また,研究成果を論文化するための投稿費用として使用する予定である。
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