研究実績の概要 |
本研究の目的は,不登校生徒(別室登校生徒も含む)に対する ICT を用いた遠隔「ものづくり」 教育について実践的に検証し,その学習 活動のフレームワークを構築することである。 ICT を用いた遠隔「ものづくり」教育の中で形成される特有な環境下でのコミュニケーションによるハード並びにソフトウェア環境や 指導方法の問題点を明らかにし,不登校生徒のための「ものづくり」教育のよりよい学習システムを構築する。そのために授業展開,学 習形態,学習題材, 教師のかかわりや生徒個別のポートフォリオ活用による学習の振り返り,相互評価など包括的学習システムを開発する中で実践的に検証を行い,その有用性を検討する。不登校生徒は、通常授業に参加することができない状況にあり各教科の学習内容 について学習保証されていない状況である。国語、数学、理科、社会、英語などの教科は学習プリントなどで補完することができるが、実習教科では、その点が不十分である。特に、技術分野では特殊な道具や工具を使用するため、不登校生徒にとって経験する場面も ない。それに加え危険な作業も伴うため適切な指導者のもとに実習や実技を行わないと様々な問題が起こる可能性があり、その点についても同時に検討する必要があると考える。具体的には、半田ごてや回路計など普段の生活では使用することのない工具を利用することで検証する予定である。また,「ものづくり」教育を通した不登校生徒の自主自立,自己効力感やコミュニケーション力の向上について検証する。
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