多くの教師は,授業の「練り上げ」段階における社会的相互作用の重要性を認識してはいるものの,その具体化において悩みやジレンマを抱えている。こうした課題に対して,本研究成果の学術的意義や社会的意義は,「数学的意味の協定」と「数学的表現の協定」の2つを社会的相互作用の重要な機能ととらえた上で,「相互発達モデル」に基づく具体的な授業改善を提起した点にある。本研究によって,多くの教師が苦慮している社会的相互作用に基づく授業デザインの具体的あり方を提言することが可能になる,と考えている。また,今日強調されている「言語活動の充実」に関する示唆も得ることができる,と考えている。
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