研究課題/領域番号 |
16K04707
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
村上 康子 共立女子大学, 家政学部, 准教授 (20458863)
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研究分担者 |
小川 容子 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (20283963)
山中 和佳子 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (20631873)
早川 倫子 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (60390241)
石川 眞佐江 静岡大学, 教育学部, 准教授 (80436691)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 音楽科教育 / 器楽活動 |
研究実績の概要 |
これまで、器楽活動については学校教育において必要な活動であるという前提の元、指導内容・指導方法に関する膨大な量の実践研究が蓄積されてきた。しかし、その前提となるはずの「器楽活動そのものの意義」について理論的な根拠が示されてきたとは言い難い。そのため、学校教育における器楽活動の研究は、「どんな楽器を」あるいは「どんな楽曲を」使った活動を行うか、そしてそのために「どのような指導を行うとよいのか」という視点に重心が置かれており、器楽活動を通して何を育てたいか、あるいは、器楽活動を行うことでどのような育ちが見込めるのかという視点は欠いてきたように思われる。 平成28年度は、小学校の授業観察を行い器楽指導について検討してきた。その結果、①子どもの発達段階を検討せずに楽器が使用されている、②楽器の特性を無視した楽曲選択が行われており、授業で演奏した結果、楽曲の持つ特徴や楽器の持つ良さが損なわれている、③単元の目標に照らして何らかの指導を行うことで、音楽的には思考停止してしまうことが多く、言語的な理解はできたとしても、音楽に向き合っていない活動が多い、④合奏が合奏ではなくて、正しいタイミングで音を鳴らすだけの行為になっている、などの問題点が浮かびあがってきた。教師一人一人が楽器の音にこだわり、楽曲の良さを感じ取ることなく、教科書や指導書に書かれた通り楽曲を正確に演奏することを目的とした器楽指導では、本当の意味での音楽表現には結び付きにくいのではないかという実践上の課題が浮かび上がっている。 今後、これらの課題を克服するような指導理念を文献研究や授業研究を通して検討し、器楽指導におけるカリキュラムの開発を試みることとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度に予定していた「教育現場で行われている器楽勝王の実態把握と音大店の整理」については、それなりに進んでいるものの、文献研究等、基礎研究と知見の体系化が遅れ気味である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、音楽科の授業研究において、エビデンスを明確に示した研究は少ない。本研究での指導実践を客観的データを備えてまとめられるような方法論の検討を進めていく。 それと同時に、これまでの研究成果を踏まえ、小学校教諭と連携を取りながら、実践を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度、当初予定はしていなかったが幼児教育において注目を浴びている、レッジョ・エミリアの視察が可能となった。そのため、研究計画当時、平成29年度に実地調査の予定であったが変更を試みた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、海外の実地調査は行わずに研究を進める。
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