研究課題/領域番号 |
16K04715
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
磯部 錦司 椙山女学園大学, 教育学部, 教授 (40322614)
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研究分担者 |
増井 透 椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (30135272)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 生命観 / 自然観 / 芸術 / 生命のイメージ |
研究実績の概要 |
①作品の収集と分析:前研究で行った実践内容の6段階の位置づけをもとに、これまで収集した実践を分類し、実践事例から記録を収集した。実践協力を得ている日本、オセアニア、ヨーロッパの拠点において「生命のイメージ」を課題に実態調査をし、自然や生命に対する見方や感じ方の特徴を造形要素と記述から示し、そして、実践の事前・事後の表現内容の比較調査から、造形活動をとおして表れる自然観の分析を行った。本年度は,日本、オセアニアを中心に,2016年8月,オーストラリア,シドニー在住の幼児,小学生を対象に,2017年3月,名古屋市S小学校を対象に,「生命(いのちのイメージ」を,16色,蝋筆における絵画作品と記述において収集した。 ②実践事例をとおし生成される自然観とその表現内容の検証:S幼稚園5歳児,S小学校3年生において実践記録の収集を行い,事例分析から子どもにあらわれる自然への見方や感じ方を作品と記述から考察した。さらに、国内と海外において協力を得た実践事例と収集した実践資料の分析から、6段階において生成される自然観・生命観について、活動のプロセスと行為、表現内容の記述と造形要素をとおして検証し、自然観の構築を主題とした美術教育実践事例を示した。 ③ドイツとの共同実践による<自然/生命>をコアとした実践事例の構築:S小学校とドイツ公立小学校との環境を視点とした共同実践研究において実践事例を示した。S小学校の事例では,生命科学と芸術領域のネットワークによって実践を行い,生命のイメージの検証を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シドニーでは順調に資料の収集を行うことができた。他に、当初予定になかった、韓国、フランスにおいても収集が行えた。分析においては予想以上に時間が必要となり、予定の分析に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
作品の収集をドイツを中心とした欧州、及び日本国内においてさらに拡充させる。それらを基に、今後、自然観の質的・量的分析,及び,実践記録と表現内容の記述による質的分析と,造形要素による量的分析から,6ステージの表現内容と生成される自然観について検証していく。教育実践学研究による現象学的・臨床的手法と合わせ,物理的測度と心理的測度、さらには量的及び質的分析を統合し行う。また、表現内容と概念形成や色彩との関係、文化的要因の関与等を検討し,国内外でのフィールドをもとにプロセスの記録と行為,造形要素の情報を合わせ,6段階の表現内容についての分析を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
ノートパソコン(東芝ダイナブックV831×@250千円)購入を予定していたが,旅費,人件費,消耗品の出費を優先し既存のものを代用した。そのため繰越金が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
欧州等の資料収集において旅費が当初より必要となり、用品代を旅費と人件費に使用する。
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