研究課題/領域番号 |
16K04717
|
研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
武田 啓子 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (70548685)
|
研究分担者 |
久世 淳子 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (50221221)
水谷 なおみ 日本福祉大学, 健康科学部, 准教授 (20515605)
丹羽 啓子 日本福祉大学, 健康科学部, 准教授 (10331646)
藤原 秀子 日本福祉大学, 健康科学部, 助教 (10516909)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 介護観 / 介護実践 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,介護観が介護実践に及ぼす影響を体系化し,介護実践を構造化することである.平成28年度は文献検討を行い介護観を定義づけし,研究メンバー間で共通認識を図った.次に,介護福祉士養成課程の学生を対象とした介護観の形成プロセス,および介護職員を対象とした介護観と介護実践の関係について調査した.3件の研究成果は以下のとおりである. 1.介護観の定義:介護福祉士養成課程の主要テキストをはじめ,「介護観」「看護観」「援助観」をキーワードとした文献を検討し,介護観とは「介護する上で,自分が大切にしたいと思うこと」と定義した. 2.介護福祉士養成課程の学生を対象とした介護観形成プロセスに関する質問紙調査:学生がどのように介護観を形成するのか,そのプロセスを質問紙調査にて検討した.4年生課程では,1年生は入学後,専門的知識・技術を修得することにより介護への意識がポジティブに変容する様相が窺えた。2年生は介護実習Ⅰ・Ⅱから知識と実践を統合することで,より具体的な考え方を育み,3年生は社会福祉士課程の実習からの影響を受けていた.4年生は介護観をベースに援助観が深まるなど,本学の介護福祉士と社会福祉士の2資格取得に向けたカリキュラムのメリットがみられた.2年生課程では,1年生は介護とは専門的知識をもとに利用者のニーズを捉え,利用者主体でその人らしい生活を支援する事と専門的視点で表現し,2年生は利用者のニーズが満たされることで、その人らしさを大切にすることができると変容していた.以上より,介護福祉士養成課程の学生は授業や介護実習などの経験により,介護観を形成するプロセスが明らかとなった. 3.介護職員を対象とした介護観と介護実践の関係に関する質問紙調査:卒業生を対象に調査した結果,在学時の介護観と現在の介護観はほとんど変わらず,業務に介護観は影響していることが示された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度に実施予定である介護職員を対象とした介護観と介護実践に関する質問紙調査票の基礎資料となる調査を実施することができた.
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度に実施した3件の調査結果をふまえて,介護職員を対象とした介護観と介護実践に関する質問紙調査票を作成する.そして,介護職員1,000名を対象に実施する予定である. また,平成28年度に実施した介護福祉士養成課程の学生を対象とした介護観形成プロセスに関する質問紙調査は継続する予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
データの集計などを研究グループ内ですべて対応したため,人件費などの金額を抑えることができたため.
|
次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は調査規模も拡大するため,調査に係る費用として充当する予定である.
|