研究課題/領域番号 |
16K04722
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
光木 幸子 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (70269778)
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研究分担者 |
葉山 有香 同志社女子大学, 看護学部, 講師 (30438238)
田村 沙織 同志社女子大学, 看護学部, 助手 (50756210)
小笠 美春 同志社女子大学, 看護学部, 講師 (70544550)
當目 雅代 同志社女子大学, 看護学部, 教授 (20259435)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | チェンジエージェント / 看護師 / 尺度開発 |
研究実績の概要 |
チェンジエージェントスキルを測定する尺度を開発するため,糖尿病患者の療養行動を促す関わりを質的分析によってチェンジエージェントスキルを測定する尺度の項目を、10名の看護師の質的データより質的分析によって抽出し、カテゴリ43個,サブカテゴリ86個,及び構成内容224個を抽出した。更に構成内容を中心として,194項目が作成された。予備調査及び,検討会によって文言の修正,質問項目の厳選し,110項目に絞られた。得られた質問項目の項目分析をおこない,正規性・一貫性が保たれているかを検討することを目的にWebによる調査を実施した。約400万人のモニタを有するWeb調査会社に依頼し,20~59歳までの看護師をサンプリングした。調査対象者は看護師320名(男性48名,女性272名,39.84±9.62歳)であった。質問項目は、属性項目,看護師の糖尿病療養指導スキル尺度,得られた110項目であった。110項目は教示文を『糖尿病患者への療養支援するとき,今のあなたの状況についてお答えください。以下の事柄について,どの程度できる自信があるか「(1)まったくできない~(6)非常にできる」のうち,当てはまる数字を答えてください。』として,6件法で回答を求めた。また,110項目と項目数が多く,項目の順序の効果が出る可能性があるため,項目は回答者別に並びがランダムになるように提示された。分析方法は、各項目の正規性を確認するため,反応分布,平均値と標準偏差から天井・床効果を確認した。一貫性の確認には修正のないI-T相関分析を用いた。その結果、反応分布では各項目の平均値が3.94~4.51点と最大値の6点よりではあったが,片側分布,二項分布は見られなかった。また,全項目とも天井・床効果は認められなかった。I-T相関分析では相関係数が0.76~0.90と有意な相関関係が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
日常の業務におわれ、時間を作って質的データの分析を行ったが、看護師のチエンジエージェントの内容を丁寧に抽出したことにより多くの時間を費やしてしまった。また、その後の尺度開発の項目選定も慎重に何度も検討を重ねて行ったため多くの時間を費やしてしまった。漸く項目の正規性や一貫性を確認することができた。時間をかけて項目を選定したため、全項目とも天井・床効果は認められず、I-T相関分析では相関係数が0.76~0.90と有意な相関関係が認められた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は、まず、尺度の正規性と一貫性が確認できたため,今後は因子構造を明らかにし,NDESSとの関係性を確かめるといった妥当性の検討や因子項目内のクロンバックのα係数を算出するなどの信頼性の検証を行う。 並行して、教育内容の精選と教育教材の検討し、チェンジエージェントの能力の尺度の構造を組み入れた教育内容の作成し、DVDおよびPAD、客観的臨床能力試験時の自己の動画を視聴することで、自己の課題を明確にし、反復学習が可能となるものを作成する。 今年度に学会発表4件と論文2編(1編掲載予定、1編投稿予定)研究成果として公開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在研究が遅れており、今年度500人を対象に看護師へのアンケート調査を行い、尺度の信頼性と妥当性を検証する予定であるため、今年度の研究費をアンケート調査のデータ収集、データ入力と分析のために人件費も含めて計上している。
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