研究課題/領域番号 |
16K04725
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
多賀 優 龍谷大学, 農学部, 准教授 (00755671)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ミスコンセプション / レンズ / 素朴概念調査法 / 授業 / 蛍光 / レーザー / ウランガラス / 中学校 |
研究実績の概要 |
中学校、高等学校、大学の生徒及び学生を対象として「レンズの性質」についての素朴概念調査法を用いた調査を実施した。これらは滋賀県内の中、高等学校に依頼し実施した。さらに、大学生3回生を対象の同様の調査も実施し、これらの結果を研究補助者により集計を行い解析した。その結果、中学校、高等学校、大学の年代において、ほぼ同様の割合でレンズに関するミスコンセプションを保持していることが明らかになった。すなわち、中学校時代に学習したレンズにおいて生起したミスコンセプションが長い間保持されていることが示唆された。 さらに、ウランガラス製の凹レンズ・凸レンズとコナラ水に紫色レーザー光を照射し、その励起による蛍光発光を用いることで、レンズへの入射光、レンズ中、出射光の光跡を連続して目視できる教材の開発を行った。また、この教材を用いて、滋賀県内の中学校におけるレンズの授業でウランガラスによる凹レンズや凸レンズで、レンズでの屈折の性質の実践授業を行い、素朴概念調査法と概念地図法、さらにレコーダーで録音した会話プロトコルを用いて授業における生徒の科学概念の形成過程や、生起するミスコンセプションの実態を調査した。この調査による結果を研究支援員により集計を実施し、ミスコンセプションの生起する仕組みについての解析を試みた。 また、国際学会(コンセプトマップ学会)において、本研究で用いた概念地図法の解析方法についての報告を行った。また、国内学会(日本地学教育学会)において、科学的概念の基礎研究について報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中学校、高等学校、大学の生徒及び学生を対象として「レンズの性質」についての素朴概念調査法を用いた調査を実施したが、大人を対象とした調査が未実施である。それ以外の調査・集計・解析は完了した。また、ミスコンセプションが生起する仕組みの解明のための教材開発とそれを用いた中学校での授業実践も完了している。
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今後の研究の推進方策 |
中学校で実施する「虚像・実像」教材の開発を行い、それを用いた授業実践を実施する。その後、「虚像・実像」についての概念変容を明らかにし、前年度の解析結果も踏まえて学習時におけるレンズに関するミスコンセプションの形成メカニズムの全体像を明らかにする。また、ミスコンセプションと授業の関連を考察し、ミスコンセプションが生起する授業の仕組みの解明を試みる。その結果を踏まえて「一人のコンセプトマップ」を用いて、ミスコンセプションをなくす授業法の開発を行う予定である。
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