研究課題/領域番号 |
16K04731
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研究機関 | 函館工業高等専門学校 |
研究代表者 |
臼田 悦之 函館工業高等専門学校, 一般人文系, 教授 (00413708)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | タスク / スキット / 英語科教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、会話の流れそのものである音声スキットを用いてタスクを作成し、日本人学習者が取り組みやすく、言語形式も考慮したタスクの開発を試みることである。日本の中学・高校の英語教育環境においてはタスクを取り入れた実践はまだ多くなく、作成も容易ではないことから本研究の意義は大きいと考えられる。またICTを利用してブラウザ上やタブレット端末で取り組めるタスクの開発につなげ、次世代型のタスク作成を視野に入れていく。 二言語習得の認知プロセスとしてinput→noticing→intake→integration→output (Gass, 1997) が挙げられるが、 inputの扱いが少ないと最終的に学習者の口から出てくる意味のある英語 (output) ははるかに少なくなると考えられる。そこで本タスクの前にinputとしてスキットを聞かせたりスクリプトを使ったpre-taskを行ったりすることで、良質なoutputが期待できると考えた。またpost-taskでの言語形式に焦点を当てた活動にもスキットは有効活用できる。 今年度は、文献調査と、言語教育用のオンラインコーパス「基礎英語LEAD」のデータベース内にあるスキットを機能や場面などの言語表現項目、基本的な文法項目、媒体や話者との関係などの状況条件、そして話題をカテゴリー分類し学会発表をした。その後更に、information-gap task、information-exchange task、opinion-exchange task、jigsaw-task、role-play taskへ分類しタスク作成を試みようとしたが、音声を聞いて場面を想像することが容易なスキットがあまり多くなくタスク化に困難を感じた。そこで文献調査を行い、Willis(1996)の自然な認知プロセスをベースとしたprediction-task、jumbles、restoration taskなども含めてタスク作成を行うことにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基礎英語LEADは一連の流れのあるスキットが多かったり登場人物を推理するのが難しかったりするので、タスク化するのが予想より難しいことが分かったため。
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今後の研究の推進方策 |
音声スキットだけでなく動画も含めてデータベースを探しタスク化を試みる。ブラウザやタブレット・モバイル端末で取り組めるタスク開発の準備を行う。情報収集のための文献調査と学会参加も引き続き行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた学会への参加が出来なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
タスクの材料になるスキットのデータベースの範囲を広げ、文献調査と学会への参加を増やす予定である。
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