平成30年度は、学習管理システムを高知高専1年:国語Ⅰ、2年:国語Ⅱの授業において導入し、反転授業用動画の公開や対面授業までのワーク等を指示し、円滑化を図った。それにより、前年度までの反転授業実施に伴う問題は概ね解決され、反転授業を用いたアクティブラーニングの実施が全授業において可能となった。 平成28年度から平成30年度前期までの実績について、国際会議において報告する機会を得ることができた。 1. International Simulation and Gaming Association 49th Conferenceでは、対象となる学生(高知高専1年生、2年生、大阪大学言語文化研究科留学生)がビブリオバトル実践(年4回)後のアンケート結果を分析し、その教育的効果について報告した。アンケートでは、思考力・情報伝達力・相互理解力を深める上でのビブリオバトルの有用性、ビブリオバトルを通じて向上したと考えられる能力等を調査した。その結果、自らの日本語運用能力やコミュニケーション能力、リテラシー能力を養うためにビブリオバトルの授業導入が効果的であることについて高知高専、大阪大学、マヒドン大学の研究者と共に検証した。 2. The 12th International Symposium on Japanese Language Education and Japanese Studiesでは、国語教育を通して地域社会の文化にふれるとともに、地域の問題点を発見する学習プログラムを提案し、その実践と教育的効果に関する報告を行った。反転授業とグループワークを用いて、文学作品(ここでは『土佐日記』)の中から現在に繋がる課題を発見させる取り組みを通して育成可能となる能力を分析・考察し、問題発見能力・解決力を伸ばしつつ、地域に密着した授業のあり方について高知高専の研究者と共に提案した。
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