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2016 年度 実施状況報告書

木製積木の現況調査及び試作による造形教育用素材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K04739
研究機関群馬大学

研究代表者

林 耕史  群馬大学, 教育学部, 教授 (50556743)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード木製積木 / 木製玩具
研究実績の概要

イタリア(ルッカ及びボローニャ)の幼稚園を訪問してどのような木製玩具並びに積木を使用しているか調査した。パズル的な組み合わせや絵合わせをするような積木は多く確認できたが,言語教育や基礎的生活習慣を身につけるための指導に用いられており,本研究で課題としている造形用素材としての積木は少ない印象であった。しかし単純な形をした積木は幼児に人気で,造形を楽しむための材料として幼児は進んで扱っていた。3園を訪問したが,どの園でも共通してプラスティックから木のおもちゃへ移行する姿勢が明確に示されていたことにも注目した。併せてイタリア・ルッカの木工所を訪問し,地元で産する木材(オリーブ,クリ)を用いた調度品や家具製造の現場を見学することができた。地元特産の木材を有効利用するコンセプトを掲げ,最適な加工方法,デザインを追求していた。
一方,国内の木製積木の調査では「東京おもちゃ美術館」での「木のおもちゃ作家展」において現代作家の作品を見学。作家の意匠が活かされ多彩な形体をもつものが多くみられた。造形用素材というよりむしろ,積木そのものが作品であるという印象をもった。まだデータ入手が少なく,さらに調査が必要である。
「木製積木試作」では,木材の入手と乾燥にあてた。それは自身の先の研究(基盤研究(C)課題番号24531183)における反省であった「木材の適切な乾燥」を入念に行うためである。地元である前橋市の材木業者より,タモ材及びクリ材を入手。先の研究では自身で製材したが,本研究では板材に製材してもらい,積木の試作に向けて現在乾燥中である。
尚,自身の彫刻制作における作品を,長野県信濃美術館(長野市)で開催された「触れる彫刻展」(2017年1月28日~2月19日)に3点出品。視覚障害のある方々をはじめ晴眼者による鑑賞の機会を提供。木の作品に触れて楽しむ端緒について知見を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前述の概要で述べたように,国内における木製積木の基礎調査が十分行うことができなかったためである。2年次において,重点的に進めたいと考えている。木製積木試作については,木材の乾燥を適切に進めることが必要なため,具体的な製作にまで至らなかったが,この点は,必要な時間であると考えている。

今後の研究の推進方策

国内各地の木工業者,玩具制作者,積木のデザイナー等を訪問して,木製玩具・積木製作の技法並びに製作の意図や具体的な工程などについて調査する。積木の具体物については,材質,寸法並びに寸法比について実物に触れながら調査する。
木製積木の試作については,初年度に入手した木材の適切な乾燥をまって着手したい。

次年度使用額が生じた理由

研究の環境整備,調査のための旅費,木製積木試作のための木材入手等に使用したが,わずかながら若干の金額が残った。

次年度使用額の使用計画

国内の実地調査に必要な旅費としての使用すると共に,木製積木試作のために使用していく。

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公開日: 2018-01-16  

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