研究課題/領域番号 |
16K04749
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
林 泰成 上越教育大学, その他部局等, 副学長 (80293265)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | モラルスキルトレーニング / 体験的な学習 / エピソード評価 |
研究実績の概要 |
平成30年度から小学校道徳の教科化が行われ、一年が経過した。また、一年遅れて中学校でも道徳教科化がスタートした。この一年間、本研究との関連で、さまざまな学校で特色ある道徳科授業の実践を見学し、新しい知見を得たが、そうした実践の中で、道徳科の指導法の一つとして「問題解決的な学習」とともに「道徳的行為に関する体験的な学習」が注目されていることに気づかされた。本研究では、後者の体験的な学習による指導法の一つとして位置付けられるモラルスキルトレーニングの効果を検証することに取り組んできた。 平成30年度は、福島県の二本松市のA小学校にご協力していただいて、モラルスキルトレーニングを取り入れた道徳科授業を複数の学年で複数回実施し、道徳性検査ハートで子どもの変化を見取ると同時に、質的な効果を検証するため、子どもの感想を収集した。またこの授業実践に協力していただいた授業実践者は、子どもの変化を示すエピソードを集積し、それを授業評価および子どもの評価に生かそうと試みており(こうした取り組みは「エピソード評価」とよばれている)、本研究では、それらを含め、すべてのデータを総合的に分析・考察することに取り組んできた。 こうした平成30年度までの本研究の成果は、平成31年度6月26日~30日にインドネシアで開催されるアジア太平洋地区道徳教育学会(Asia-pacific Network for Moral Education)において、授業実践者と連名でポスター発表をすることを予定しており、すでにエントリーをすませている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年度末までに研究全体を終了する予定であったが、この6年間副学長の職にあり、とくに平成30年度は、平成31年4月から教職大学院の定員を大幅に増やし、学士課程や修士課程のカリキュラムも大幅に変更する改革をおこなうことになったため、その関連の業務に忙殺されて、十分に研究のための時間を確保することができなかった。そこで、1年間の延長をお認めいただき、平成31年度も継続して研究を進めることとなった。平成31年度は、副学長の職を解いていただき、教授職の業務に専念することにしたため、平成31年度末までには本研究を完成させる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
すでに平成30年度末までに収集したデータがあるので、まずその分析考察を継続して行う。さらに複数の学校にご協力いただいて、同様の道徳科授業実践を行い、さらなるデータの収集を行う。後半には、それらを論文としてまとめ、学内紀要や学会誌等に投稿する形で公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では、昨年度ですべての研究が終了する予定であったが、副学長として、大学の大幅な組織改革の業務に忙殺され、計画どおりに研究を進めることができなかった。 現在残っている助成金については、すでに収集済みのデータ分析のため学生を雇いあげる費用、学校現場で授業実践を行っていただくことにともなうUSBメモリーなど記録媒体にかかる費用、記録を取るために本学から移動する旅費、および、最終的な報告書の作成費用等に充てる予定である。
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