道徳の時間は、小学校においては平成30年度から、中学校においては平成31(令和元)年度から「特別の教科 道徳」となった。この教科化は、いじめ防止に効果的だとみなされての取組である。したがって、これまでとは異なり、具体的な行為につながる指導法が求められている。そうした社会状況を背景として、本研究は、新しい道徳科の授業方法の一つとしてのモラルスキルトレーニングの効果を検証し、その理論構築を目指すものである。 従来の道徳教育が、心情面での指導を中心としてきたのに対し、具体的な道徳的行為に焦点化して道徳性を高めるという点でこの方法は画期的なものであり、その実証的な研究には大きな社会的意義がある。
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