研究課題/領域番号 |
16K04757
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
平山 大輔 三重大学, 教育学部, 准教授 (00448755)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 森林環境教育 / ESD / 小学校 / 教材開発 / 授業プログラム / 教員研修 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、三重大学教育学部附属小学校と連携し、前年度から継続的に実施してきた6年生対象の森林環境教育の授業プログラムの実践および分析を行った。これは、森林の多面的機能を9つに整理し、それぞれの森林機能について、教室・校庭をはじめとする学校内外の身近な場所で学習できる授業プログラムを考案して、理科、国語、社会、図画工作といった様々な教科や総合的な学習の時間のなかで、三重県の森林環境教育の副読本を活用しながら実践したものである。実践後のアンケート結果や児童のノートの分析から、考案した授業プログラムが森林環境教育として一定の効果を有することが示された。この成果について、日本環境教育学会第27回大会(東京)にて発表した。また、三重県内の学校教員を対象に、ESDの視点から森林環境教育が学校で広く推進されるようになることをねらいとして、上記の授業プログラムの一部を含む教員研修を実施した。さらに、身近な樹木やその生態および人間生活との関わりなどについてウォークラリー形式で児童が主体的に学ぶことのできる教材を作成し、津市内の1小学校において5年生を対象に実施した。 社会教育施設との連携においては、児童が簡単に樹木の二酸化炭素固定量を求めることのできる体験型の教材を作成し、三重県総合博物館の協力のもとに、博物館の有する自然観察林で来館者の小学生親子を対象とした実践を行った。実践後のアンケート調査の結果から、この教材は児童が森林機能のひとつである二酸化炭素固定を学ぶ上で有効であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ESDの視点にもとづく小学校での森林環境教育の教材開発と授業プログラムの構築に関して、学校、博物館、行政と良好な連携関係をもって当初の計画に沿った形で遂行できている上、得られた成果の公表(学会発表)も行うことができているため、おおむね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度には、改善した教材と授業プログラムについて、三重大学教育学部附属小学校をはじめ三重県内の小学校で実践し、児童および教員へのアンケート調査を行い、効果を検証するとともに、教育現場に導入する上での課題を探る。 また、前年度に引き続き、教員研修での実践を行い、受講者アンケートをもとに効果を検証するとともに改善を図る。さらに、三重県総合博物館での実践も継続して行い、学校外に広く普及させるための課題を探る。
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