平成30年度は、校庭を活用した小学校での森林環境教育の授業プログラムについて、津市内の小学校2年生を対象として4月および11月に実践を行った。また、昨年度に引き続き、樹木の生態や種子散布に関する体験型の授業プログラムについて、8月に尾鷲市内の小学生9名を対象として、10月に津市内の小学生20名を対象として、実践を行った。次に、学校教員対象の研修講座として、昨年度までに引き続き、森林環境教育を学校で始めるための入門的講座を7月に開催し、三重県内の学校教員30名以上の参加を得た。講座では、昨年度同様、森林環境教育の意義、内容等について解説した後、実際にどのようにすれば学校現場での森林環境教育を無理なく継続的な取り組みとして実施できるかについて、教科横断的な授業づくりの視点をもとに、実習形式での研修を行った。研修後にはアンケートを実施し、森林環境教育を学校現場で推進する上での課題を調査した。成果の発表に関しては、これまでに取り組んできた小学校における教科横断的な森林環境教育の有効性について、アンケートへの児童の回答や振り返りの記述等の分析を行い、第130回日本森林学会大会(新潟)において口頭発表を行った。これまでの3年間の研究期間全体を通じて、小学校の様々な教科内の森林に関連する項目を活用することにより、日常の個々の教科の学習を通じた森林環境教育の推進が可能になることを、ある程度示すことができたと考えている。これまでの研究成果の一部は学術論文として、日本環境教育学会の環境教育誌に投稿し、平成30年に受理・出版された。
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