研究課題/領域番号 |
16K04762
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河合 江理子 京都大学, 総合生存学館, 教授 (50729259)
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研究分担者 |
山口 栄一 京都大学, 総合生存学館, 教授 (30367974)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 移動可能なスキル / Transferable skills / インターンシップ / イノベーション / カリキュラム / 留学 / リーダーシップ教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、新しい分野横断型大学院においてTransferable Skill (日本語で移転可能なスキル:以下TS)を如何に教育するかを具体的に明らかにすることである。研究者が所属している大学院で直面している課題に他ならない。 研究対象国の高等教育の制度上におけるDoctoral Trainingについて更なる文献調査をした。 研究代表者は欧州(フランスとスイス)と米国(ハーバード大学)に出張し、インタビュー調査を通して今まで客観的な評価が難しかったTS教育の結果を定性的に調査する準備をした。対象国の大学の責任者、大学院生、卒業生にインタビューをした。今回の研究では様々なステーク・ホルダーにインタビューし、TS教育に対する全体的な評価と実績を明らかにした。カリキュラム構築、過去の経緯、学生のニーズ、将来の計画について質問した。具体的にはどのようなコースを提供するべきか、、カリキュラムに組み入れているか、国際的に活躍するために、海外インターンシップ、留学、語学、異文化理解、リーダーシップ教育などをどのようにカリキュラムに反映しているかなどについて質問した。 研究分担者は、Transferable skillsを育む場(共鳴場)が企業のイノベーションにどのように関わるか、その生成モデルを考察して、『イノベーションはなぜ途絶えたか―科学立国日本の危機』を執筆した。本書は、28年12月にちくま新書として出版された。序章 沈みゆく日本を救え/ 第1章 シャープの危機はなぜ起きたのか/ 第2章 なぜ米国は成功し、日本は失敗したか/ 第3章 イノベーションはいかにして生まれるか/ 第4章 科学と社会を共鳴させる/ 第5章 イノベーションを生む社会システム。この中で本研究では、とくに第3章と第4章に関わる研究を行なった。さらに、この第3章と第4章との翻訳を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請したように新しい分野横断型大学院においてTransferable Skill (日本語で移転可能なスキル:以下TS)を如何に教育するかという命題について研究はおおむね順調に進んでいる。国際会議(USJI)の場で代表者はモデレーターとして、また分担者は発表者として、アメリカの研究者や実践者と共に研究成果を発表した。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者と分担者は、28年度に行われたインタビュー調査から導かれた仮説を確認するため1年目の結果から、さらに質問事項を充実し、より多い人数の卒業生と人事担当者にインタビュー、アンケート調査を1年目とは異なる大学の担当者、学生、卒業生、と企業の人事担当者とおこなう。1年目に得られた日本企業の期待しているグローバル人材教育と欧米の企業が考えているグローバル人材教育の違いを明らかにするために、海外、国内インターンシップ、留学、語学、異文化理解、リーダーシップ教育などについて質問する。 日本の企業について1年目と同様にインタビュー調査をするが、異なる企業で調査をする。 2年目の調査で明らかになったことを基本にして、研究者が所属する大学院で「グローバル環境における経営幹部人材像と育成に関する研究会」を定期的に開催する。その結果をまとめてシンポジウムを開催し発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者=今回は出張経費と謝金が節約できたために、118,394円を次年度に繰り越す予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
研究代表者=次年度の出張経費と謝金として使う予定である。
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