研究課題/領域番号 |
16K04769
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩田 昌太郎 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (50433090)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 教師教育 / 教師教育者 / 職能成長 / 体育科教育学 / 教師教育カリキュラム |
研究実績の概要 |
本研究は,教師教育者の養成と成長に注目し,そのプロセスと促進条件を解明する中で教師教育カリキュラムの類型化と定型化を目的とする。具体的には,① 博士課程の前期と後期に在学する院生に,一定の指導や実習の経験を与えると,どのような過程・段階を経て,教師教育者としてどのような力量を修得させることができるか, ② 大学の教職課程に就職後,とりわけ「指導法に関する科目」に従事する教師教育者はどのような困難に直面し,それをどのように乗り越えていくか。③ 大学院から中堅にかけての教師教育者に提供すべき教師教育プログラムを①と②の知見を基盤にして,日蘭比較を適用しながら類型化と定型化を図り開発する,の3点を解明を試みたい。 1年次は,教師教育者育成で実績のあるオランダの大学(アムステルダム自由大学)を拠点にして,欧州を訪問し,教師教育者育成のためのカリキュラムと指導の実態,および本調査のデータを収集した。次に,教師教育者育成に関する国内外の先行研究をレビューした。さらに研究代表者と連携研究者が協力して,モデル・カリキュラムの策定のために日蘭比較のための基礎データの収集および整理した。 その実績として,Association for Teacher Education in Europeのconference2016(オランダのアイントホーヘンで開催)においてDr. Anja Swennenと共同研究発表を行った。そのほかにも,教師教育に関連するデータを【現在までの進捗状況】に記載している研究者のもとを訪ねて、インタビュー調査と資料収集を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年次の目標としていた欧州における教師教育者育成のためのカリキュラムと指導の実態に関するデータを収集した。具体的には,以下の教育研究機関や研究者を訪ね、インタビュー調査や資料収集を実施した。 オランダ:Dr. Anja Swennen(VU Amsterdam), Mr. Jurrien Dengerink(VU Amsterdam), Dr. Mieke Lunenberg(元VU Amsterdam), Dr. Corinne van Velzen(元VU Amsterdam) イギリス:Dr. Jean Murray(University of East London) マルタ: Dr. Christopher Bezzina (University of Malta,教育学部長)
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、以下の3点を挙げておきたい。 (1)1年次に収集したオランダを拠点にした欧州の教師教育カリキュラムの実態調査におけるデータを整理する。 (2)Dr. Anja Swennen(VU Amsterdam, the Netherlands)と引き続きATEEのconference2017で教師教育カリキュラムの日蘭比較研究の共同研究発表を行う。 (3)本研究の2年次の目標としている教師教育学の研究で著名な国内の大学(武蔵大など)や連携研究者(初任期から中堅期にかけた教師教育者)のもとを訪問し,日蘭比較のデータ整理と外部評価を取り入れながら,教師教育者育成のためのプログラムについて精緻していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が45,438円程度生じてしまったが、次年度の経費と合算して、十分に研究遂行できる金額内といえる。
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次年度使用額の使用計画 |
資料整理における謝金や英文学術論文の校正費として使用する予定である。
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