研究課題/領域番号 |
16K04771
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
阪根 健二 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10363178)
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研究分担者 |
吉井 健治 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50279379)
戸田 有一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70243376)
葛西 真記子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (70294733)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | LGBT+(プラス) / Ally / intersectionality / 居心地のよさ / 最適化 / セクシュアルマイノリティ |
研究実績の概要 |
LGBTについて、441名の教員に質問紙調査(2016)を行った結果、「LGBT」の定義は広まりつつあるものの、「性的指向」と「性自認」の違い等の認識は途上であった。こうしたずれは、「いじめ問題」と同じように、研究者と実践者間に誤解を生じさせ、解決に向けての協働を阻害する可能性がある。助言者であるS・ラッセル教授(米国)は、「intersectionality〈多重性〉」を指摘し、いじめ問題・ネット問題・LGBT等の現代の諸課題は個別の課題ではなく、輻輳している背景があることを示した。 そこで、これらの課題を総合的に対処するため、2019年1月12日に『居心地のよさとは何か』をテーマに、鳴門教育大学で公開シンポジウムを開催した。ここでは、研究分担者である葛西真記子教授の基調講演、そして鼎談(葛西真記子教授・吉井健治教授・阪根健二教授)を実施し、これまで浮かび上がってきた視点や論点などを整理して、県内外の教育関係者に公開した。 学校現場では、「クエスチョニング」の児童・生徒が多いものと思われる。そこで、セクシュアルマイノリティは、LGBTだけではないということを示すために、本研究では「LGBT+(プラス)」と表現することとした。ここで必要なことは、Ally(協力者)の存在であり、セクシュアルマイノリティに対して、好意的であり、彼らの生き方や活動を支援する立場として、教師はその一員であることが求められる。 また、性の多様性を認める態度が形成されるきっかけとして、メディアなどでの漠然としたイメージではなく、人の人間として認識する「セクシュアルマイノリティの可視化」、「当事者との親密化」、「マイノリティとしての共感」という要素があり、これらが支援活動につながっていくものと考える。こうした視点を盛り込んだ「リーフレット」と「研究冊子」を作成し、教育関係者に配布した。
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