最終年度の研究実績としては、以下の点をあげることができる。 ○道徳科の教材研究に関する著書の執筆:これまでの「道徳科教材研究」についての研究成果をもとに、著書(共著)を執筆した。本書は、2019年8月にミネルヴァ書房から刊行の予定である。執筆の意図は養成課程の学生に(1)道徳科の授業で教科書が使用されることの意義について理解させること、(2)指導者が教材観、指導観をもつことの大切さを理解させること、(3)道徳科の教材を分析する際の視点について理解させること、(4)道徳科の教科書に掲載されている教材をとりあげて分析し、仲間と意見交換しながら授業を構想できるようにすることである。 ○交流型研修の試行:前年に引き続き、教員免許状更新講習における試行をおこなった。選択必修領域(小・中学校教員対象1講習)および免許法認定講習(福岡県教育委員会主催1講習)の計2講習において、道徳教材(読み物資料)をもとに、資料分析と発問づくりの試行を実施した。その工夫点は、教職経験年数の異なる教員で構成するグループにおいて、各自が考えを出し合ってそれらをまとめ全体で共有することである。 ○学部カリキュラム改善への貢献:平成30年度から開講した学部授業科目「道徳教材開発研究」について、その工夫点と課題を中心として報告書にまとめた(「授業改善レポート「道徳教材開発研究」開講初年度の工夫点と課題」)。本レポートは、福岡教育大学教育総合研究所研究プロジェクト(平成29~30年度)の一環として作成したものであり、福岡教育大学の「学部カリキュラムに関する調査研究報告書」(平成31年3月31日)pp.25-39に集録されている。
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