研究成果の意義として、日本の学校音楽教育が長年抱えてきた受け身的な鑑賞授業解決のための示唆をジュネーヴの取組みから得ることができたことが挙げられる。日本の鑑賞授業では、教師による作品解説から始まり、楽曲を鑑賞、最後に感想を書く、という一連のパターン化された流れの授業が往々にして行われてきた。そのため、子どもたちが何を学べたのか自信を持てないという音楽教師の声を研究代表者は度々耳にしてきた。一方、ジュネーヴでは、鑑賞授業にリトミックを取り入れることによって、自らの身体で音楽を感じとり、子どもたちの楽曲に対するイメージを拡大し、能動的な姿勢で学習が進められていることがわかった。
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