研究課題/領域番号 |
16K04785
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
小玉 敏也 麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (60632213)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | カリキュラムの共同編成 / 地域との連携 / プラグラム開発 |
研究実績の概要 |
平成29年度の目標は、研究課題に関わる基礎的調査であった。その内容は、(1)関連学会の文献調査、(2)地域に根ざした教育活動の調査計画、(3)ESDプログラムの開発と評価、であった。 まず(1)は、研究課題に関連する諸学会の文献を調査し、この分野に係る先行研究の把握に努めた。また、第23回動物園水族館教育研究会の大会に参加し、実践と研究の概要を把握すると同時に、関係者に次年度以降の研究活動への協力も求めることができた。 (2)は、次年度の計画を一部前倒しして、葛西臨海水族園、千葉動物園、多摩動物園、日本モンキーセンター、碧南水族館、旭山動物園、安佐動物園を訪問し、教育普及担当の職員に聞き取り調査を実施することができた。この過程で、研究課題に結びつく事例を探し当てることができ、研究の方向性が見えてきた。 (3)は、プログラムの開発と評価というテーマには迫れなかったが、研究対象の旭陵高校と横浜動物園ズーラシアとは、大学との研究協定を結ぶことができ、研究活動の基礎を作ることができた。同校のカリキュラムを素材にして、研究課題に関して考察を進めたい。 3つの研究から整理できることは、学校と動物園・水族館の連携は、①教育委員会の積極的な関与があるかどうかが教育活動に影響する、②動物園・水族館の側は学校との連携に積極的であること、③従来の連携が、個別の授業(理科・生活科・総合)に限定されている事例が多く、学年内・学校内の体系的なカリキュラムとして編成されている事例は少ない、という特色があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題に係る文献調査、学会への参加、計画していた動物園・水族館への聞き取り調査がほぼできた。また、研究対象となる動物園と学校と研究協定を結ぶことができ、次年度以降に安定した研究活動を進めることができる。 特に、各園における聞き取り調査は、学校と動物園・水族館との連携を考察するにあたって、その現状や課題を把握できたという意味で大変貴重な機会であった。また、研究協定を結んだ旭陵高校・横浜市動物園ズーラシアには、授業の参観や教師や生徒への聞き取り調査の面で協力を得ることができ、次年度の研究に役立つことを期待できる状況である。
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今後の研究の推進方策 |
(1)富山ファミリーパーク、大牟田動物園への聞き取り調査を実施する。ここは、学校と動物園・行政・民間団体がESDをいう観点で連携する良い事例と考えているので、集中的に調査を行い、連携体制構築のための要因を抽出したい。また、横浜市動物園ズーラシアのプログラム制作過程に関しても聞き取り調査を行い、ESDプログラムを考案するための条件を明らかにしたい。 (2)動物園との長年の連携体制を継続する旭陵高校への聞き取り調査と、それがどのような教育効果をもたらしたのかを明らかにするために、生徒への質問紙調査と聞き取り調査を実施する。又、その結果を踏まえて、同校の教育活動の向上のための協議を進行する。 (3)多摩動物園と授業連携してきた多摩市の小学校を訪問し、関係者への聞き取り調査を実施するとともに、総合的な学習の時間の指導計画を入手し、その内容を分析する。 (4)日本環境教育学会又は動物園水族館教育研究大会で、研究の中間成果を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、研究に必要なPC及びソフトを購入予定であったが、各地の動物園・水族館での聞き取り調査を優先したため。
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次年度使用額の使用計画 |
(1)富山県、福岡県の動物園へのと聞き取り調査と、日本モンキーセンターと犬山市の小学校のカリキュラム調査を実施するための旅費・謝金。(2)研究の中間総括のために2つの学会での発表を行うため、その旅費・謝金。(3)質問紙調査を実施した後のデータ整理・分析のための人件費。(4)研究に必要な図書の購入、物品、教科書などの購入。
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