最終年度に実施した研究活動は、研究計画に基づき以下の2点の活動を行なった。 (1)動物園と連携する研究対象校への質問紙調査と聞き取り調査を実施した。これは、Zoologyという学校設定科目を履修してきた生徒の2年間の追跡調査である。生徒の授業への認識を理科教育の枠組みを援用しつつ、前期後期の2回(2年間で計4回)実施してきた、また、その生徒の中から数名を抽出して、生徒のキャリア観にどのような影響があったかも調べた。調査の最終結果はまだ整理していないが、学校と動物園の教育課程を介した連携が、生徒にプラスに影響している傾向は認められた。 (2)JAZA(日本動物園水族館協会)の協力を得て、全国の加盟園館150箇所に、『動物園・水族館による「教育・普及業務」の実施及び「学校との連携」に係る調査』を実施した。回収率も9割を超え、2019年時点での動物園・水族館の視点から見た学校との連携の実態を集約することができた。これも、調査の集計結果はまだ終了していないが、園館の教育・普及業務の成果と課題から、学校との連携のあり方が浮かび上がっている。 これらの研究成果は、2019年度の動物園・水族館教育研究会で発表する。また、2020年度中に環境教育学会誌に投稿する。その他に、3ヶ年の研究活動の波及効果として、本学で博物館教育を実践する学生が、研究対象校のZoologyの授業で出前授業を行うことができ、2019年度も継続する予定で大学と高校の連携事業に発展する可能性もある。
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