研究課題/領域番号 |
16K04794
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研究機関 | 作新学院大学女子短期大学部 |
研究代表者 |
青木 章彦 作新学院大学女子短期大学部, その他部局等, 教授 (70291854)
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研究分担者 |
小栗 貴弘 作新学院大学女子短期大学部, その他部局等, 准教授 (10635379)
岸本 智典 作新学院大学女子短期大学部, その他部局等, 講師 (50757713)
長澤 順 作新学院大学女子短期大学部, その他部局等, 准教授 (60720654)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ピアノ弾き歌い / 模範動画 / 通常練習 / 教育効果 |
研究実績の概要 |
ピアノ弾き歌いの模範演奏動画の作成を行った。なお、「自由な位置での繰り返し再生機能」「変わらない音質での再生速度の変速機能」に加えて,「運指のポイント解説」「練習方法のポイント解説」といった「弾き歌いができるようになる過程」を含んでいる動画を作成した。なお、使用した曲は、本研究のために新たに作曲した者を使用した。即ち、実験に参加する学生にとっては、明らかに初見の曲であった。 作成した模範演奏動画の教育的効果について,ピアノ初心者クラスの学生を対象に,交替介入による等価統制群事前事後テストデザインを用いた実験を行った。参加学生をランダムで2群(A群・B群)に分け,各学生には,初見の曲を2曲ずつ(甲曲・乙曲)選択させた。2曲のうち,A群の学生は甲曲について模範演奏動画を視聴しながら練習し,乙曲は通常の方法で練習させた。逆に,B群の学生は乙曲について模範演奏動画を視聴しながら練習し,甲曲は通常の方法で練習させた。練習終了後直ちに,曲を演奏してその様子を音声付きの動画で撮影した。 学生の演奏動画を,通常練習と動画視聴練習で比較検討した。その結果、動画視聴練習の方が通常練習よりも上達が早かった。即ち、模範演奏動画の教育的効果が認められた。 模範演奏動画を用いた練習方法は通常の練習方法と比較して教育効果が高いという仮説を立てたが,それが裏付けられた。 今後は、被験者を増やして実験精度を高まるとともに、より効果的に模範動画の作成に取り組む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、撮影および動画の編集作業に関して,「学研プラス 音楽事業室」から研究協力の承諾を得ていたが,価格等の関係で協力依頼を断念した。その結果、動画の作成が少し遅れた。また、教材の学生へ提示方法も、見直して、iTunesUを使用したが,学生の視聴環境が,Andoroidスマホの場合に動画が再生できない等の不具合が発生した。これらを解決するために、研究がやや遅れた。 視聴環境をiTunesUとYouTubeの二本立てにすることで、学生の視聴環境に合わせることが可能となり,研究の遅れは取り戻せると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
①被験者を増やして実験精度を高まるとともに、より効果的に模範動画の作成に取り組む。 ②評価方法の精度を高める。即ち、本研究とは直接関係のないピアノ講師数名に依頼して、各学生が撮影した演奏動画をデータとしてランダムで視聴し,評価者がそれぞれについて評価を行う。 ③信頼性・妥当性の検証を行う。評価者数名の評価について,その一致率を「信頼性係数」とする予定である。これにより、模範動画のより厳密な効果測定が可能となる。 ④日本保育学会等への発表の準備や論文執筆の準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
以下の2点が、次年度使用額が生じた主な理由である。 ①実験に使用するピアノを安価に入手できたこと。 ②動画作成を外注から内製に変更したこと。
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次年度使用額の使用計画 |
①動画作成を内製するため、ビデオ機材およびビデオ編集機材を追加で購入する。 ②学生の有するスマートフォンの性能で動画の再生が左右されるため、教材提示用のタブレット端末を複数台購入する。 ③実験に参加する学生および評価に協力いただくピアノ講師の謝金、等
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